ホンダ N-ONE RSの購入検討者が抱く「がっかり」の不安と、その本質を解き明かす解説スライドの表紙

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N-ONE RS購入後の後悔で最も多いのは「過激なスポーツ走行への期待ズレ」と「ドラポジ等の物理的欠点」です。
本記事では高額な軽自動車選びで絶対に失敗しないよう、オーナーの本音と致命的な不満点を包み隠さず解説します。

こんにちは。CAR LIFE LABO運営者の「亮太」です。

ホンダのN-ONE RS、あのレトロで可愛い見た目に本格的な6速MTという組み合わせ、クルマ好きなら一度は気になってしまう存在ですよね。でも、いざ本気で購入を検討し始めると、ネットの検索候補に出てくる「N-ONE RS 後悔」や「遅い」「がっかり」といったネガティブな言葉が気になって仕方がないという方も多いのではないでしょうか。

軽自動車としては決して安い買い物ではないですし、ライバルだったアルトワークスとの比較や中古相場、実際の長距離運転での疲労感、周囲からのイメージなど、ハンコを押す前にクリアにしておきたい疑問は山積みだと思います。特に「高すぎる」と言われる価格に見合った価値が本当にあるのかは、誰もが最後まで悩むポイントです。

記事のポイント
  • 「RS=速い」という誤解が後悔を生む最大の原因
  • アルトワークスとは真逆の「グランドツーリング」志向
  • テレスコやフットレストなど意外な装備の欠落に注意
  • 購入前に必ずチェックすべき「許せる不満」と「許せない不満」
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N-ONE RSを買って後悔する理由

N-ONE RSは非常に魅力的な車ですが、そのキャラクター性の強さゆえに、購入後に「思っていたのと違う…」と感じてしまうポイントがいくつか明確に存在します。ここでは、実際に所有しているオーナーたちが抱きがちな後悔の具体的な中身を、忖度なしで掘り下げていきます。

N-ONE RSで後悔・がっかりする理由

N-ONE RSで後悔・がっかりする理由

結論から申し上げますと、N-ONE RSを購入して後悔する最大の要因は、「攻撃的なスポーツカー像」と「実際のグランドツーリング性能」との残酷なまでのミスマッチにあります。

カタログやWeb上の「6MT」「RS」という文字を見て、多くのクルマ好きは無意識に「シビック タイプRの弟分」や「現代に蘇ったボーイズレーサー」を想像してしまいます。しかし、納車日にその期待は良い意味でも悪い意味でも裏切られることになります。具体的にどこで「がっかり」してしまうのか、そのメカニズムを解剖します。

ミッション問題:MT前提で買うべきか(渋滞・坂道・同乗者の有無)

N-ONE RSの象徴とも言える6速MTですが、日常の足として使う場合、これがネックになることもあります。特に2025年モデルからはRSがMT専売となったため、AT限定免許の家族と共有する場合などは選択肢から消えてしまいます。

また、実際に所有してみると以下のような「MTゆえの悩み」に直面することがあります。

ここがツライかも:日常運用のリアル

  • クロスレシオ設定:1速から5速までがかなり近いギア比になっています。これはスポーティーですが、街中では「信号発進してすぐに2速、またすぐに3速…」とシフト操作がかなり忙しいです。これを「操る楽しさ」と思えるか、「ただただ面倒」と感じるかが大きな分かれ道です。
  • クラッチの重さ:スポーツ走行を想定しているためか、一般的な軽自動車に比べてクラッチの反発力が強めに設定されています。毎日の通勤で渋滞にハマった時、左足への負担がジワジワきます。
  • 電子制御パーキングブレーキ(EPB):非常に便利ですが、サイドブレーキを使ったスピンターンや、アナログな坂道発進操作が物理的にできません。「サイドを引いて車をコントロールする」という昔ながらのMT操作を好む人には、どうしても違和感が残ります。

同乗者がいる場合、変速ショックを抑える丁寧な運転技術も求められます。「奥さんが乗るときにガックンガックンさせてしまって不機嫌になる」なんていうのは、MT車あるあるですね。

期待値ギャップ:「RS=めちゃ速い」ではない/スポーツ感の方向性

期待される「ドッカンターボ」的な出力特性と、実際の「低回転トルク重視」なフラット特性を比較したグラフ

「RSなんだから、信号ダッシュで他の車を置いていくような圧倒的な速さがあるはず!」

もしそう思っているなら、少し注意が必要です。N-ONE RSに搭載されているS07B型ターボエンジンは、低回転から最大トルクが出る非常に扱いやすい性格ですが、高回転まで回してパワーを絞り出すような「ドッカンターボ」的な刺激はありません。

アクセルを踏むと「気づいたら法定速度に達している」というスムーズさがあり、これを「上質で大人な走り」と捉えるか、「パンチがなくて退屈」と捉えるかで評価が真っ二つに分かれます。往年のVTECエンジンのような、「カーン!」と突き抜ける高揚感を求めると、少し肩透かしを食らうかもしれません。

乗り心地:硬めに感じる人が出やすい(段差・荒れた路面での印象)

サスペンションの硬さはサーキットの速さではなく、ロール抑制と情報のダイレクト感を意図したものであるという解説

RS専用のサスペンションは、コーナリング時のロール(車体の傾き)を抑えるために、標準グレードに比べて締め上げられています。ドライバーにとっては車の挙動がダイレクトに伝わってきて楽しいのですが、助手席や後部座席の人にとっては「突き上げがきつい」と感じられることがあります。

特にマンホールや道路の継ぎ目、荒れたアスファルトを通過した際、「ガツン」「コツコツ」という衝撃が割と正直に伝わってきます。一人で乗る分には「スポーティーだね」で済みますが、家族用として購入する場合、事前に家族を乗せて試乗し、許容範囲かどうか確認することを強くおすすめします。

静粛性:ロードノイズ・エンジン音の感じ方(軽として許容できるか)

N-ONEは「Nシリーズ」の中でもプレミアムな軽自動車を謳っていますが、RSに関しては「音」の侵入が気になるとの声も少なくありません。

  • ロードノイズの侵入:特にリアのタイヤハウス周りからの「ゴー」というロードノイズが車内に響きやすい傾向があります。軽量化の影響か、遮音材が薄い箇所があるようで、荒れた路面ではオーディオの音が聞こえにくくなることも。
  • エンジン音の演出:これは賛否両論あるのですが、スポーティーさを出すために、あえてエンジン音を室内に聞かせる味付けになっています。これを「やる気にさせる音」と歓迎する人もいれば、長距離移動中に「ずっと唸っていてうるさい」と感じる人もいます。

価格と装備:軽でこの価格に納得できるか(満足点と不満点の両面)

テレスコピックステアリングとフットレストが装備されていないことによる、運転姿勢への影響を図解したスライド

N-ONE RSの車両本体価格は200万円を超え、オプションや諸費用を含めると乗り出しで250万円近くになることもあります。「軽自動車に250万円?」と冷静になった時に、ふと後悔がよぎる瞬間があるかもしれません。

価格そのものよりも問題なのは、「高いのに、付いているべき装備がない」という点です。

価格の割に惜しい!購入者が嘆くポイント

  • テレスコピックステアリングがない:ハンドルの前後位置調整機能がありません。これがドラポジが決まらない最大の原因です。兄弟車のN-WGNには採用されているのに、走りを重視するN-ONE RSで省略されているのは、多くのオーナーが不満に挙げる点です。
  • フットレストがない:3ペダルのMT車なのに、左足を置くためのフットレストが標準装備されていません。コーナリングで身体を支えられず、カーペットに直接足を置くことになるため、内装が汚れたり穴が開いたりします。

こういった「あと少しの配慮」が欠けている点が、所有満足度をじわじわと下げる要因になり得ます。

実用性:後席の使い勝手、荷室、収納(“日常の不便”が後悔に直結)

N-ONEはデザイン優先の車なので、収納や積載性には割り切りが必要です。

まず、運転席周りにスマホや財布をパッと置く場所が意外とありません。ドリンクホルダー以外の小物入れが極端に少なく、収納グッズを後付けしないと不便を感じるでしょう。

さらに致命的なのが、後席のスライド機能がないことです。N-BOXやワゴンRのように「今日は荷物が多いから後席を前にスライドさせて荷室を広げよう」といった使い方ができません。後席を倒せばフラットにはなりますが、4人乗車時の荷室容量はミニマムです。圧倒的な利便性に慣れていると、この不便さがボディブローのように効いてきます。

維持・リセール:タイヤ/保険/下取りなど「買った後」のコスト感

維持費に関しては、基本的には軽自動車なので税金なども安く済みます。しかし、RS特有のコストもいくつか存在します。

  • タイヤ代が少し高い:15インチの偏平タイヤ(165/55R15)を履いているため、交換費用は一般的な軽自動車(14インチなど)より少し高めです。グリップの良いタイヤを履かせたくなりますしね。
  • 燃費と航続距離:楽しくてエンジンを回しすぎると、カタログ燃費より悪化しがちです。また燃料タンク容量が27L(FF車)と小さいため、給油頻度が高くなるのが地味なストレスになります。
  • リセールバリュー:ここに関しては朗報です。特にMTモデルは生産台数も限られ、コアなファンがいるため、買取相場は非常に高値で安定しています。「買って後悔しても、高く売れるから大丈夫」というのは、購入を決断する際の大きな心の保険になるかもしれません。
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アルトワークスとN-ONE RSの比較

重量、エンジン特性、コンセプト、シートの違いから見る、N-ONE RSとスズキ アルトワークスのキャラクター比較

「軽のスポーツモデル」としてよく比較されるスズキのアルトワークス(HA36S ※現在は生産終了)ですが、実はこの2台、目指している方向性が全く異なります。

項目 N-ONE RS (JG3) アルトワークス (HA36S)
車両重量 約840kg (重厚) 約670kg (羽のように軽い)
エンジンの性格 低回転トルク重視

(フラットトルク)

高回転の伸び重視

(ドッカンターボ的)

目指した走り 長距離もこなす

上質なGTカー

峠を攻める

生粋のスプリンター

シート高 高め (ミニバン的視点) 低め (レカロ標準装備)

「軽さこそ正義」「とにかく速くて刺激的な軽が欲しい」という方は、間違いなくアルトワークスの方が幸せになれます。逆に、「内装の質感」や「高速道路を余裕を持って流す安定感」を求めるならN-ONE RSが正解です。N-ONE RSは、サーキットタイムを削る車ではなく、公道を気持ちよく流すための車なのです。

N-ONE RSは本当に遅いのか

スポーツカーのような刺激ではなく、上質な移動と日常の質を高めることを目指した「小さな高級GT」というコンセプト結論

ネットの口コミなどで「遅い」と言われることがありますが、これは「車重」と「体感速度」の問題です。840kgという重さは、ゼロ発進の瞬間にどうしても一瞬の「モッサリ感」を生んでしまいます。物理的なパワーウェイトレシオで見れば、アルトワークスには敵いません。

ただし、一度走り出してしまえば、太いトルクのおかげでグイグイと加速します。また、ホンダのS07Bエンジンは非常に優秀で、高速道路の合流や追い越しでも不足を感じることはまずありません。「遅い」のではなく、「速さを過剰に演出しないジェントルなセッティング」であると理解すれば、不満は出ないはずです。

N-ONE RSの中古車選びの注意点

新車の納期が長引いたり、価格が上昇傾向にある中で、即納可能な中古車市場でのN-ONE RS人気は非常に高まっています。しかし、一般的な軽自動車と違い、RSは「スポーツ走行」に使われていた可能性が高いモデルです。

見た目が綺麗でも、中身がボロボロ…なんていうハズレ個体を引かないために、プロの視点でチェックすべきポイントを詳しく解説します。

1. MT機構の疲労度チェック(最重要)

6速MTモデルを狙う場合、トランスミッションとクラッチの状態確認は避けて通れません。試乗が可能であればベストですが、できない場合でもエンジンをかけて以下の動作を確認してください。

この症状があったら要注意!

  • シフトの引っかかり:特に停車状態で、クラッチを踏んで1速から6速までシフトレバーを動かしてみてください。「ガリッ」「ゴリッ」という異音や、特定のギアに入りにくい感覚がある場合、シンクロナイザー(変速をスムーズにする部品)が傷んでいる可能性があります。
  • クラッチのミート位置:クラッチペダルを離していく際、ペダルがかなり手前(足を離す直前)まで戻らないと車が動かない場合、クラッチディスクが摩耗して寿命が近いサインです。交換には高額な工賃がかかります。

2. 「カスタム済み車両」の落とし穴

中古市場には、マフラーや車高調、エアロパーツがあらかじめ装着された個体が多く出回っています。「パーツ代がお得じゃん!」と思いがちですが、ここにはリスクも潜んでいます。

  • ECU(コンピューター)書き換えの有無:パワーアップのためにECUが書き換えられている場合、エンジンの寿命を縮めているリスクがあるだけでなく、ディーラーでの保証修理や点検を断られるケースがあります。必ず販売店に確認しましょう。
  • 純正パーツの有無:車検に通らない改造がされている場合、後で困るのはあなたです。マフラーやサスペンションなどが社外品に変わっている場合、「純正パーツも積んでありますか?」と必ず聞いてください。

3. 整備記録簿で見る「愛され度」

前のオーナーがどのように車を扱っていたかは、「点検整備記録簿」に全て表れます。特にターボ車であるN-ONE RSは、エンジンオイルの管理が命です。

「半年ごと」あるいは「5,000kmごと」にオイル交換の履歴が残っている個体は、大切に乗られていた可能性が高い「当たり車両」です。逆に、走行距離が進んでいるのに整備記録が空白の期間が多い個体は、避けたほうが無難でしょう。

4. 安心を買うなら「認定中古車」一択

正直なところ、メカに詳しくない方が個人売買や格安の中古車店でスポーツモデルを買うのはギャンブルに近いです。

私が最もおすすめするのは、ホンダ公式の認定中古車「Honda U-Select(ユーセレクト)」での購入です。ホンダの専門メカニックによる厳しい点検をクリアしており、消耗品の交換も適切に行われている上、全国のホンダディーラーで受けられる手厚い保証が付帯します。価格は少し高めですが、購入後のトラブルリスクを考えれば、結果的に最も安上がりな選択肢になるはずです。

N-ONEに乗ってる人のイメージとは

「本質を知るベテラン」「MT女子」「センスの良いクルマ好き」など、N-ONE RSを選ぶユーザーのペルソナ分析

街中でN-ONE RSを見かけたとき、あるいは自分がそのオーナーになったとき、周囲からはどのような目で見られるのでしょうか。

結論から言うと、N-ONE RSに乗っている人は「ただ者ではない、センスの良い車好き」というポジティブな印象を持たれることが圧倒的に多いです。車種カーストや排気量マウントとは無縁の、独自の立ち位置を確立しているからです。具体的にどんなイメージを持たれているのか、いくつかのパターンに分けて分析してみましょう。

1. 「本質を知るベテラン」の風格(男性オーナー編)

最も多いイメージがこれです。かつてはシビックやインテグラ、あるいはシルビアなどで走り回っていたけれど、結婚や年齢を重ねて落ち着き、今は「肩肘張らずに楽しめる相棒」としてN-ONE RSを選んだ、というストーリーを感じさせます。

「大きな車や高級車を見せびらかす必要がない、精神的に余裕のある大人」

「スペック競争から卒業した、真のエンスージアスト(熱心な愛好家)」

そんな、玄人好みの渋いかっこよさが漂います。あえて軽自動車のMTを選ぶという選択自体が、「車の楽しさは馬力だけじゃない」と知っている証明書のようなものです。

2. ギャップが魅力の「MT女子」(女性オーナー編)

もし女性がN-ONE RS(特に6MT)に乗っていたら、クルマ好きの男性からは間違いなく尊敬と憧れの眼差しを向けられます。

外観は愛らしくてお洒落なN-ONEですが、信号待ちで左手がシフトノブを操作しているのが見えた瞬間、「おっ、マニュアル乗ってるの!? かっこいい!」という強烈なギャップが生まれます。

「車をただの移動手段として見ていない」「自分のスタイルを持っている」という、自立した女性のイメージに直結します。

3. 意外と煽られにくい「平和なオーラ」

軽自動車は煽られやすいと言われますが、N-ONE RSに関しては「意外と平和」という声も聞かれます。

なぜ煽られにくい?

  • 敵を作らないデザイン:丸目のファニーフェイスは攻撃性が皆無です。後続車に威圧感を与えないため、イライラを誘発しにくいようです。
  • 実は速い:見た目に反して加速がスムーズなので、交通の流れをリードできます。「遅くて邪魔」と思われるシチュエーション自体が少ないのも要因です。
  • 黒ナンバーの迫力(?):RS専用のブラックアウトされたホイールやスポイラーが、「ただの軽じゃない雰囲気」を醸し出しており、車好きには「あれはRSだ」と認識され、一目置かれます。

総じて、N-ONE RSに乗るということは、「流行りに流されず、自分の『好き』を貫く人」という、非常に好感度の高いセルフブランディングに繋がると言えるでしょう。

N-ONE RSでの長距離運転は疲れる?

軽自動車のMTモデルでありながら、全車速対応ACCやLKASなどの運転支援技術が標準装備されていることの解説

ここがN-ONE RSの隠れた強みです。軽自動車としてはホイールベースが長く設計されており、直進安定性が非常に高いです。高速道路で修正舵(ハンドルを細かく動かすこと)が少なくて済むため、疲れにくいのです。

さらに特筆すべきは、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)とLKAS(車線維持支援システム)がMT車にも標準装備されている点です。6速に入れてACCをセットすれば、アクセル操作から解放され、前車に追従してくれます(変速操作は必要ですが、高速巡航ならほぼ6速固定でいけます)。

ただし、前述したドラポジの問題(ハンドルが遠いことによる肩凝り)やロードノイズが疲労の原因になることはあるため、適度な休憩は必要です。

後悔する人としない人

ここまで欠点も包み隠さずお話ししましたが、N-ONE RSは「刺さる人には深く刺さる」、非常に魅力的な車であることは間違いありません。あなたがどちらのタイプか、購入前に冷静に見極めてみましょう。

後悔しない人(満足しやすいタイプ)

  • 絶対的な速さより「操る感覚」を楽しみたい人:法定速度内で、シフトノブをカチャカチャと動かし、車と対話すること自体に喜びを感じるなら、最高の相棒になります。
  • ダウンサイジング派:普通車から乗り換えても、内装の質感や装備(オートブレーキホールドなど)に妥協したくない人。
  • デザインに惚れた人:この丸目のレトロモダンな見た目は唯一無二です。駐車場に停めた愛車を振り返って「可愛いなぁ」と思える人なら、多少の欠点は「あばたもえくぼ」になります。

後悔しやすい人(注意タイプ)

  • 「アルトワークス」のような過激さを求めている人:「もっと刺激を!」と感じてしまい、飽きるのが早いかもしれません。
  • コストパフォーマンス最優先の人:「軽に250万出すなら、中古のスイフトスポーツ(普通車)が買えるじゃん」と天秤にかけてしまう人は、購入後にその思考が頭を離れなくなるでしょう。
  • 完璧なドライビングポジションを求める人:テレスコピックがないことに耐えられず、運転するたびにストレスを感じる可能性があります。

用途別判断と試乗時のチェックリスト

いざディーラーで実車を目の前にすると、テンションが上がってしまい、デザインやエンジンの吹け上がりといった「良い部分」ばかりに目が行きがちです。しかし、本当に確認すべきなのは「あなたの日常にこの車が馴染むかどうか」というネガティブチェックの側面です。

ここでは、あなたの使用用途に応じた相性診断と、試乗時に必ず確認してほしい具体的なチェックポイントを解説します。営業マンの横で、遠慮せずにこれらをチェックしてください。

あなたはどのタイプ?用途別の相性診断

まずは、あなたがN-ONE RSをどのように使う予定かによって、重視すべきポイントが変わってきます。

  • 【通勤・毎日の足として使う場合】最も警戒すべきは「シフト操作の煩雑さ」と「収納不足」です。毎朝の渋滞でクラッチ操作が苦にならないか、コンビニコーヒーやスマホの置き場に困らないか、シビアに想像してみてください。燃費とタンク容量の小ささによる給油回数の多さも、ボディブローのように効いてきます。
  • 【週末のドライブ・趣味車として使う場合】相性は抜群です。積載性の低さも、遊び道具さえ載れば問題ありません。高速道路を使った移動が多いなら、6速巡航時の静粛性と、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の操作感を重点的に確認しましょう。
  • 【家族の送迎・セカンドカーとして使う場合】家族(特に車に詳しくないパートナーやお子さん)の理解が得られるかが最大の壁です。後席の突き上げ感や、乗り降りのしやすさ、チャイルドシートを載せるならその作業性などを、必ず家族同伴で確認してください。「乗り心地が悪い」と却下されるリスクが最も高いパターンです。

試乗でここを見逃すな!詳細チェックポイント

試乗は単なる体験走行ではありません。「粗探し」の場です。以下の項目は、納車後に「こんなはずじゃなかった」となりやすい代表的なポイントです。

ラポジ、同乗者の納得度、エンジン音、街中での使い勝手など、試乗時に必ず確認すべき4つのポイント

試乗チェックリスト:ここだけは絶対に確認!

  • 「妥協なき」ドラポジ確認これが最重要です。まず、クラッチを奥まで踏み込める位置にシートを合わせてください。その状態で背中をシートに付けたまま、ハンドルの一番上を握れますか? テレスコピック(前後調整)がないため、ハンドルが遠すぎて腕が伸び切ってしまう人が続出しています。「少し遠いけど慣れるだろう」は危険です。その違和感は、長距離運転で激しい肩こりに変わります。
  • ペダル配置とフットレストの不在
    普段履いている靴で、ペダル間隔が狭すぎないか確認してください。そして、左足を置くフットレストがない状態で、カーブを曲がった時に体が安定するか試してみてください。左足の置き場に困る感覚が許容できるかどうかが鍵です。
  • 1速→2速の繋がりと「レブハング」
    アクセルを戻してもエンジン回転がすぐに落ちない制御(レブハング)が入っています。素早くシフトアップしようとすると、回転が合わずにギクシャクすることがあります。あえてゆっくり変速したり、少し素早く変速したりして、ご自身の感覚とリズムが合うか確認してください。
  • 「音」の質の選別
    オーディオをオフにして、路面の荒れた場所を走ってみてください。エンジン音の「演出されたサウンド」は心地よいですか? それとも、リアタイヤハウスから響く「ゴー」というロードノイズが耳障りですか? 助手席の人と普通に会話ができるレベルかどうかも重要な指標です。
  • 駐車時の視界と感覚
    可能であれば、ディーラーの駐車場でバック駐車をさせてもらってください。座面が高いことによる後方視界の見え方や、Cピラー(後部座席横の柱)による死角の範囲を確認しましょう。意外と真後ろが見にくいと感じるかもしれません。

これらのポイントは、短い試乗時間でも意識すれば確認できます。「カッコいいから買う!」という勢いも大切ですが、長く付き合う相棒だからこそ、冷静な視点でジャッジしてあげてください。

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N-ONE RSで後悔しない価格と疑問解消

購入の最後のひと押し、あるいはブレーキとなるお金の話や、購入前に解消しておきたい細かな疑問について、オーナー視点で徹底的にお答えします。

N-ONE RSの価格は高すぎるのか

専用開発コスト、豪華な標準装備、高いリセールバリューから算出する、N-ONE RSのコストパフォーマンス解説

車両本体価格で約200万円、オプションや諸経費を入れると250万円オーバー。「軽自動車にこの金額は正気か?」と問われれば、確かに金額だけ見れば高いです。同じ金額を出せば、中古のスイフトスポーツやマツダ2といった、よりパワフルな普通車が買えてしまうのも事実です。

しかし、私は「高いが、ぼったくりではない。むしろバーゲンセールに近い」と考えています。理由は以下の3点です。

N-ONE RSの価格に納得できる理由

  • 専用開発のコスト:S660のミッションをFF用に再設計し、専用のギア比を与え、エンジンも専用チューニング。今の時代、販売台数の少ないMT車のためにここまでコストをかけること自体が奇跡的です。
  • 装備の充実度:「Honda SENSING」による先進安全機能、フルLEDライト、電子制御パーキングブレーキ、アルミホイールなど、上級登録車並みの装備が標準です。後から付けるオプションがほとんどない「全部入り」の状態です。
  • トータルコストの安さ:購入価格は高くても、毎年の自動車税、車検費用、高速道路料金などの維持費は「軽自動車」の安さです。長く乗れば乗るほど、普通車との差額は埋まっていきます。

「小さな高級時計」や「プロ仕様の道具」を買う感覚に近いかもしれません。所有欲を満たす密度感は、価格以上のものがあります。

N-ONE RSとモデューロXの違い

現在は惜しまれつつ生産終了となりましたが、N-ONEにはメーカー直系のコンプリートカー「Modulo X(モデューロX)」が存在しました。「RSと何が違うの?」とよく聞かれますが、その差は「匠による最終仕上げ」にあります。

RSが「元気の良いスポーツグレード」だとすれば、モデューロXは「洗練された大人のGT」です。

  • 足回りの熟成:専用のダンパーを採用し、減衰力を最適化。RSで感じる「コツコツ」とした角のある突き上げが見事に丸められ、路面に吸い付くようなフラットライドを実現しています。
  • 実効空力:バンパー形状などが専用設計されており、高速走行時のリフト(浮き上がり)を抑え、矢のように直進します。これは飾りではなく、実際に体感できるレベルの違いです。

もし中古車市場でRSと迷っていて、予算が許すならモデューロXを狙う価値は大いにあります。ただ、RSをベースにアフターパーツで自分好みに育てていく楽しさも捨てがたいですね。

N-ONEが売れない理由は何ですか?

実用性のN-BOXに対し、趣味性と愛着を追求したN-ONEの存在意義とメーカーのメッセージ

販売台数ランキングだけを見るとN-ONEは下位にいますが、これは「人気がない」のとは少し意味が違います。「あえてニッチな層を狙い撃ちした結果」です。

ホンダの軽自動車には、圧倒的王者の「N-BOX」がいます。広さ、利便性、コスパを求める層は全員N-BOXに流れます。その中でN-ONEは、あえて全高を抑え(多くの立体駐車場に入る高さ)、スライドドアを採用せず、デザインと走りにコストを全振りしています。

「万人受けしなくていい。このデザインと走りが好きな人だけに乗ってほしい」というメーカーのメッセージでもあります。街中で溢れかえっていないことは、オーナーにとっては「人と同じ車に乗りたくない」という所有欲を満たすプラス要素(レア感)になります。

N-ONE RSは満タンで何キロ走ります?

ここがN-ONE RSオーナーにとって最大の悩みどころ、いわゆる「27リッター問題」です。2WDモデルの燃料タンク容量は27Lしかありません(4WDはさらに小さい25L)。

実燃費をシミュレーションしてみましょう。

走行シーン 実燃費(目安) 計算上の航続距離 給油したくなる距離
市街地・渋滞 14〜16 km/L 378〜432 km 約 280 km
郊外・高速巡航 19〜22 km/L 513〜594 km 約 400 km

計算上はもっと走れますが、精神衛生上、給油ランプが点灯する前(残り5L程度)には給油したくなります。そうなると、実質300km〜350kmごとにガソリンスタンドを探すことになります。

ロングツーリングの際は、「次のサービスエリアで入れよう」ではなく、「入れられる時に入れておく」という慎重な計画が必要です。

N-ONE RSの買取相場はいくらですか?

非常に優秀、いや、驚異的と言ってもいいレベルです。これには明確な理由があります。

  • 絶滅危惧種であること:純ガソリンエンジンのMT車、しかも軽自動車規格のスポーツモデルは、電動化が進む中で今後二度と新車で出ない可能性があります。
  • コアなファンの存在:指名買いをするユーザーが多いため、中古市場での需要が途切れません。

特に6MTモデルは、状態が良ければ新車価格に近い価格で店頭に並ぶことも珍しくありません。「3年乗って売っても、半分以上戻ってくる」あるいはそれ以上のリセールバリューが期待できるため、「実質的な所有コスト」で考えると、値落ちの激しい不人気車を買うより安く済む可能性すらあります。

N-ONEは運転しやすいですか?

結論から言うと、めちゃくちゃ運転しやすいです。免許取り立ての方や、運転に自信がない方にも自信を持っておすすめできます。

運転しやすさの秘密

  • 車両感覚が掴みやすい:丸目のヘッドライト部分が運転席からポコンと見えるため、車の先端がどこにあるか一目瞭然です。ボンネットが見えない車が多い中、これは大きな安心感です。
  • 取り回し最強:最小回転半径は4.8m。Uターンも駐車もクルクル回れます。
  • 見晴らしが良い:スポーツグレードですが座面が高いため、ミニバンやSUVのように少し見下ろす視界です。遠くまで見渡せるので、市街地走行でのストレスが少ないです。

ただし、「スポーツカーのように地面スレスレの低い視点で走りたい」という人には、この腰高感が違和感になるかもしれません。あくまで「日常使い最強のスポーツ」というバランスです。

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N-ONE RS後悔の理由暴露!「遅い・高い・疲れる」致命的な欠点 」のまとめ

N-ONE RSはスペックで測れない楽しさを教え、人生を豊かにするパートナーであるという結びのメッセージ

N-ONE RSは、スペック表の数字だけで判断すると「重い・高い・遅い」と誤解されがちです。また、テレスコピックがない、収納が少ないといった物理的な欠点も確実に存在します。

しかし、この車の真価は、スペックや利便性といった「理性」で判断する部分にはありません。「日常の法定速度域で、シフトノブを操作し、意のままに車を動かす」という「感性」の部分にあります。

「速さ」を求めるなら他車を選んでください。「便利さ」を求めるならN-BOXを選んでください。

でも、もしあなたが、駐車場に停めた車を振り返って「やっぱり可愛いな」とニヤけたり、ただのコンビニへの買い物がちょっとしたドライブに変わるような「愛おしさ」を求めているなら、N-ONE RSは最高のパートナーになります。

欠点すらも「手のかかる子ほど可愛い」と思えるか、あるいは「カスタムして自分色に染める楽しみ」と捉えられるか。そのマインドセットさえあれば、N-ONE RSを選んで後悔することは絶対にありません。

※本記事の情報は執筆時点のものです。正確なスペックや最新の価格については、必ずホンダの公式サイトをご確認ください。

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