「プリウスPHVの購入を検討しているものの、『燃費が悪い』という評判を聞いて不安に感じていませんか。特に、自宅で充電しない場合の性能や、ガソリンのみで走行した際にリッター何キロ走るのかは、購入を決める上で非常に気になるポイントです。また、市場には魅力的な価格の中古車も多く存在しますが、中古安い理由やバッテリーなどの弱点、そして避けるべき欠点はないのか、といった疑問も浮かぶでしょう。この記事では、新型プリウス60と旧型モデルの性能差、実際のev走行距離の実態、そして失敗や後悔をしないための賢い選び方を、網羅的に解説します。あなたの疑問を解消し、最適な一台を見つけるための一助となれば幸いです。
- プリウスPHVの燃費が悪化する具体的な運転状況
- 走行モードや新旧モデルごとのリアルな燃費性能
- 中古車選びで失敗しないための注意点と安い理由
- 購入前に知るべきプリウスPHVの弱点と欠点
目次
プリウスphvの燃費が悪いのは本当?5つの原因
- 充電しない場合の燃費はどのくらい?
- ガソリンのみで走ると燃費は悪化する?
- 結局リッター何キロ走るのか?
- 実際のev走行距離はカタログ値と違う?
- プリウスPHVの弱点や欠点とは?
充電しない場合の燃費はどのくらい?
プリウスPHVを充電しないで運用した場合、期待されるほどの圧倒的な低燃費性能を発揮することは難しくなります。その理由は、プリウスPHVが外部からの充電によって得た電力で走行する「EVモード」を主体とすることで、その真価を発揮するよう設計されているからです。
充電がされていない状態では、車両は自動的に「HV(ハイブリッド)モード」で走行します。これは、ガソリンエンジンとモーターを併用する一般的なハイブリッド車と同じ状態です。このHVモード時の燃費も決して悪くはありませんが、大容量バッテリーを搭載している分、車両重量が通常のプリウスよりも重くなる傾向にあります。この重量増が、純粋なハイブリッド車として走行する際の燃費に、わずかながら影響を与える可能性があります。
具体的には、充電をせずにHVモードのみで走行した場合の燃費は、通常のプリウスと同等か、あるいは少し下回るケースも考えられます。したがって、プリウスPHVの最大のメリットであるガソリン消費の抑制効果を十分に得るためには、日常的に充電を行い、積極的にEVモードで走行することが鍵となります。充電できる環境がない方にとっては、この点が燃費性能に満足できない要因となり得るのです。
ガソリンのみで走ると燃費は悪化する?
前述の通り、プリウスPHVがガソリンのみ、つまりHVモードだけで走行した場合、燃費性能はEV走行を組み合わせた時と比較して明らかに低下します。これを「悪化」と捉えるかは個人の期待値によりますが、PHVならではの経済的なメリットは薄れてしまいます。
HVモードでの走行は、エンジンとモーターを効率よく制御してはいるものの、基本的にはガソリンを消費して走行し、減速時のエネルギー回生などでバッテリーに充電します。しかし、この方法で得られる電力量は、外部から数時間かけて充電する電力量には遠く及びません。そのため、長距離走行などでバッテリー残量が尽きてしまうと、その後はほぼガソリンエンジンに頼った走行形態となります。
さらに、「バッテリーチャージモード」という機能を使えば、エンジンを発電機として利用し強制的にバッテリーを充電することも可能です。これは、深夜の住宅街など静かに走行したい場面に備えて電力を確保するための機能ですが、発電のために多くのガソリンを消費するため、このモードを多用すると燃費は著しく悪化します。
これらのことから、ガソリンのみでの走行は、あくまでバッテリーが切れた際の補助的な手段と考えるのが適切です。プリウスPHVの燃費性能を最大限に引き出すには、EV走行が基本であり、ガソリン走行はそのバックアップという位置づけを理解しておくことが大切です。
結局リッター何キロ走るのか?
モデル/グレード | カタログ燃費 (WLTCモード) | 実燃費の目安 |
---|---|---|
新型 (Zグレード/19インチ) | 26.0 km/L | 28~35 km/L以上 |
新型 (Zグレード/17インチ) | 30.1 km/L | 30~40 km/L以上 |
旧型 (50系) | 30.3 km/L | 25~32 km/L程度 |
プリウスPHVが実際にリッター何キロ走るのかという問いに対する答えは、ドライバーの乗り方や環境によって大きく変動するため、一概に「〇〇km/Lです」と断言することはできません。この変動こそが、一部で「燃費が悪い」と感じられる要因の一つとなっています。
EV走行とHV走行の組み合わせが鍵
最も燃費が良くなるのは、日常的な移動のほとんどをEV走行でまかない、たまの遠出の際にHV走行を利用するパターンです。例えば、片道30km程度の通勤であれば、毎日充電することで、ガソリンをほとんど使わずに運用することも可能です。この場合のガソリン燃費は、計算上、数百km/Lといった驚異的な数値になることもあります。
カタログ燃費と実燃費
公式なカタログ燃費(WLTCモード)では、Zグレードで26.0km/L(19インチタイヤ装着車)や30.1km/L(17インチタイヤ装着車)といった数値が示されています。これはHVモード時の燃費に近い指標ですが、ユーザーの実燃費報告サイトなどを見ると、EV走行を上手に組み合わせることで、平均して30km/Lを超える数値を記録しているケースが多く見られます。中には、40km/L以上の燃費を達成しているユーザーも少なくありません。
一方で、充電を全くせず、高速道路での走行や山道の走行が多い場合は、実燃費がカタログ値を下回り、20km/L台前半になることも考えられます。このように、プリウスPHVの燃費は、EV走行をどれだけ活用できるかに大きく左右されるのです。
実際のev走行距離はカタログ値と違う?
プリウスPHVのEV走行距離は、カタログ値と実際の走行で差が出ることがあります。これは、燃費と同様に、さまざまな外部要因に影響されるためです。
新型プリウスPHV(60系)のカタログ上のEV走行距離は、19インチタイヤ装着車で87km、17インチタイヤ装着車では105kmとされています。これは、定められた試験条件下での数値であり、実生活での走行距離を保証するものではありません。
EV走行距離が短くなる要因
実際のEV走行距離がカタログ値より短くなる主な要因には、以下のようなものが挙げられます。
- 外気温: 気温が極端に低い冬場や、逆に非常に高い夏場は、バッテリー性能が低下しやすくなります。特に暖房の使用は電力を大きく消費するため、冬場はEV走行距離が顕著に短くなる傾向があります。
- 運転スタイル: 急発進や急加速を繰り返す運転は、電力を無駄に消費します。穏やかなアクセル操作を心がけることで、EV走行距離を伸ばすことが可能です。
- 走行状況: 信号の多い市街地でのストップ&ゴーの繰り返しや、アップダウンの激しい山道、高速道路での高速走行などは、平坦な道を一定速度で走る場合に比べて電力を多く消費します。
- エアコンの使用: 冷房も暖房もバッテリーの電力を消費します。特に暖房はエネルギー消費が大きいため、走行距離に与える影響は小さくありません。
これらの要因から、実際のEV走行距離はカタログ値の7割から8割程度になることも珍しくありません。しかし、運転方法を工夫し、気候の良い時期に平坦な道を走るなど、好条件が重なればカタログ値に近い距離を走行することも可能です。
プリウスPHVの弱点や欠点とは?
プリウスPHVは優れた環境性能と経済性を誇る一方、いくつかの弱点や欠点も指摘されています。購入を検討する際には、これらの点を理解しておくことが後悔を避けるために不可欠です。
1. 充電環境への依存度が高い
最大の弱点は、その性能が充電環境に大きく依存することです。自宅に充電設備がない場合や、マンションの規約で設置が難しい場合、PHVのメリットであるEV走行を十分に活用できません。外部の充電スポットに頼ることもできますが、時間や手間がかかるため、日常的な利便性は大きく損なわれます。結果としてHVモード中心の運用となり、割高な車両価格に見合う恩恵を得られない可能性があります。
2. 車両価格と重量
同クラスのハイブリッド車と比較して、大容量バッテリーを搭載している分、車両価格は高めに設定されています。また、バッテリーの搭載により車両重量も増加します。この重量増は、運動性能や、純粋なHVモードで走行した際の燃費にわずかながら影響を与えることがあります。
3. 静粛性ゆえの注意点
EVモードでの走行中はエンジン音がしないため、非常に静かです。これは快適性の面では大きなメリットですが、一方で歩行者や自転車が車両の接近に気づきにくいという危険性も伴います。そのため、車両接近通報装置が装備されていますが、特に住宅街や駐車場の周辺では、ドライバー側がより一層の注意を払う必要があります。
4. 走行モードの切り替え操作
一部のユーザーからは、走行モードの切り替えスイッチが物理的なボタン一つで循環的に行われるため、直感的な操作がしにくいという声も聞かれます。運転中に目的のモードへ素早く切り替えるには、少し慣れが必要かもしれません。
これらの点を踏まえ、自身のライフスタイルや駐車環境がプリウスPHVに適しているか、慎重に判断することが求められます。
プリウスphvの燃費が悪いと感じるなら中古は注意
- 新型プリウス60のPHEV実燃費は?
- 旧型モデルの燃費と比較するとどう?
- 中古が安い理由とバッテリー劣化のリスク
- 中古はやめたほうがいいと言われる真相
新型プリウス60のPHEV実燃費は?
2023年に登場した新型プリウスPHV(60系)は、デザイン性だけでなく燃費性能や走行性能も大きく進化しました。ユーザーの実燃費報告を集計するサイトなどによると、その実燃費は驚異的な数値を記録しています。
新型プリウスPHVの実燃費は、平均して29km/Lから30km/L台に達することが多いようです。これは、HVモードとEVモードを組み合わせた上での平均的な数値であり、乗り方によってはさらに優れた燃費を達成することも十分に可能です。実際、一部のユーザーからは40km/Lを超える、あるいは50km/Lに迫るような報告も見られます。
この高い燃費性能を実現している背景には、トヨタの先進技術が詰まった第5世代ハイブリッドシステムと、新開発のプラグインハイブリッドシステムの存在があります。高効率化された2.0Lエンジンと高出力モーターの組み合わせは、力強い加速性能と低燃費を高い次元で両立させています。
また、空気抵抗を極限まで低減した流麗なボディデザインも燃費向上に大きく貢献しています。さらに、EV走行距離が旧型から大幅に伸びたことで、より多くの場面でガソリンを使わずに走行できるようになり、結果として給油回数が減り、トータルでの経済性を高めています。
したがって、新型プリウス60のPHEVは、適切な使い方をすれば、燃費に関して非常に優れたパフォーマンスを発揮する車であると言えます。
旧型モデルの燃費と比較するとどう?
新型プリウスPHV(60系)の燃費性能は、旧型モデル(50系)と比較してどのように進化したのでしょうか。結論から言うと、走行性能が大幅に向上した上で、実用的な燃費性能は高いレベルで維持、あるいは向上していると考えられます。
旧型の50系プリウスPHVも、登場当時は非常に優れた燃費性能で高く評価されていました。ユーザーの実燃費報告を見ると、平均で30km/Lを超える数値を記録しており、現在でも十分に経済的な車です。
一方、新型の60系は、システムの刷新により、よりパワフルな走りを楽しめるようになりました。エンジン排気量が1.8Lから2.0Lに引き上げられ、システム最高出力も大幅に向上しています。一般的に、パワーを上げると燃費には不利に働くことが多いですが、新型プリウスはハイブリッドシステム全体の効率を極限まで高めることで、この課題を克服しました。
カタログ上のHVモード燃費(WLTCモード)を単純に比較すると、タイヤサイズなど条件によっては旧型の方がわずかに良い数値を示す場合があります。しかし、新型はEV走行可能距離が旧型の68.2km(JC08モード)から最大105km(WLTCモード)へと大幅に延長されています。これにより、実生活におけるガソリン消費量を抑える能力は、新型が大きく上回っていると言えます。
要するに、旧型は純粋な燃費数値を追求したモデル、新型は走りの楽しさと実用的な経済性を高い次元で両立させたモデルと特徴づけることができ、どちらもそれぞれの魅力を持っています。
中古が安い理由とバッテリー劣化のリスク
トヨタ認定中古車は、ハイブリッド車(HV)への不安を解消する「ハイブリッド保証」をご用意しています。初度登録年月から10年間、または累計走行距離20万kmのいずれか早い方まで、駆動用バッテリーを含むハイブリッド機構を無償で修理します。
中古車市場でプリウスPHVを探すと、比較的手頃な価格の車両が見つかることがあります。中古のプリウスPHVが安い主な理由には、「バッテリーの劣化」というPHVならではの要因が大きく関わっています。
中古PHVが安くなる主な理由
- バッテリーの経年劣化: PHVの心臓部である駆動用バッテリーは、充放電を繰り返すことや、時間経過によって少しずつ劣化していきます。バッテリーが劣化すると、満充電してもEVモードで走行できる距離が短くなったり、性能を十分に発揮できなくなったりします。このバッテリーの交換には数十万円という高額な費用がかかるため、そのリスク分が中古車価格に反映され、価格が安くなる傾向にあるのです。
- 流通量の多さ: プリウスPHVは人気車種であり、市場に出回っている中古車の台数も比較的多いです。供給量が多いため、価格競争が起こりやすく、結果として価格が抑えられる要因にもなっています。
- モデルチェンジの影響: 新型モデルが登場すると、旧型モデルの市場価値は一般的に下がります。より高性能で魅力的な新型に乗り換えるユーザーが増えることで、旧型の中古車が市場に多く供給され、価格が下落しやすくなります。
購入時の最大のリスクはバッテリー
中古プリウスPHVを購入する際に最も注意すべきなのが、このバッテリーの状態です。外観や内装が綺麗であっても、バッテリーの劣化が進行している車両を選んでしまうと、購入後すぐにEV走行距離が極端に短くなるなどの問題に直面し、高額な交換費用が発生する可能性があります。中古車を選ぶ際には、年式や走行距離だけでなく、整備履歴をしっかりと確認し、可能であればバッテリーの状態を診断してもらうことが、賢い選択のための重要なステップとなります。
中古はやめたほうがいいと言われる真相
21万キロ走ったプリウスPHVを落札してどうだったのか?
問題はステアリング。手のひらでハンドルを回すタイプの人だったのかなぁ…革の表皮がハゲハゲです。
(中略)
機関は絶好調。バッテリーのヘタリも気にならないレベル。
「プリウスPHVの中古はやめたほうがいい」という意見を耳にすることがありますが、これは全ての中古車に当てはまるわけではありません。この言葉の背景には、主に前述した「駆動用バッテリーの劣化」という潜在的なリスクが存在します。
「やめたほうがいい」と言われる理由
バッテリーの劣化が進んだ中古車を購入してしまうと、PHV最大のメリットである長いEV走行ができなくなり、実質的に「重たいハイブリッド車」となってしまいます。そうなると、燃費のメリットは薄れ、高額な修理費用や交換費用という「隠れたコスト」に直面する可能性があります。このような購入後の後悔を避けるために、「やめたほうがいい」という警鐘が鳴らされているのです。
また、修復歴のある車両も注意が必要です。大きな事故によるダメージは、たとえ綺麗に修理されていても、車の骨格に歪みを生じさせている可能性があります。これは、将来的な不具合や、走行安定性の低下につながる恐れがあります。
賢く選べば中古も優れた選択肢に
しかし、これらのリスクを理解し、適切に見極めることができれば、中古のプリウスPHVは非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となり得ます。
賢く選ぶためのポイントは、車両の状態を正確に把握することです。具体的には、信頼できる販売店を選び、第三者機関による車両検査証明書が付いているかを確認します。また、定期的な点検記録が残っている整備手帳の確認は必須です。これにより、過去にどのようなメンテナンスが行われてきたかを知ることができます。
走行距離が極端に多い、あるいは年式の割に少なすぎる車両は、バッテリーの状態に不安がある可能性も考えられます。年式と走行距離のバランスが取れた車両を選ぶことも一つの目安になります。
以上のことから、「中古はやめたほうがいい」という言葉を鵜呑みにするのではなく、リスクを正しく理解し、信頼できる情報に基づいて慎重に車両を選定すれば、満足のいく一台を見つけることは十分に可能です。
「プリウスphvの燃費が悪いは嘘?原因は環境と乗り方!中古の注意点も解説」のまとめ
ここまで見てきたように、「プリウスPHVの燃費が悪い」という評価が正しいかどうかは、そのドライバーの利用環境や運転スタイルに大きく依存します。この記事で解説した重要なポイントを、以下にまとめます。
- プリウスPHVの燃費は乗り方や充電環境で大きく変わる
- 性能を最大限に引き出すには自宅での日常的な充電がほぼ必須
- 充電せずにHVモードだけで走ると燃費のメリットは薄れる
- ガソリンのみでの走行は通常のプリウスと同等か少し下回る場合がある
- エンジンで発電するチャージモードの多用は燃費を著しく悪化させる
- 実際の燃費はユーザーの使い方次第でリッター30km以上も可能
- EV走行距離は外気温やエアコン使用、運転方法に影響される
- 冬場の暖房使用は特に電力を消費しEV走行距離が短くなる傾向
- 新型プリウス60は走行性能と燃費性能を高い次元で両立
- 新型は旧型よりEV走行可能距離が大幅に向上している
- 中古車が安い主な理由は駆動用バッテリーの経年劣化リスク
- バッテリー交換には高額な費用がかかる可能性がある
- 中古車選びではバッテリーの状態と整備履歴の確認が不可欠
- 「中古はやめたほうがいい」はバッテリー状態の悪い車両を指す
- 車両の状態を正しく見極めれば中古車も経済的な選択肢となる