タント ファンクロスを見かけない5つの理由と強みと欠点など完全解説

タント ファンクロスを見かけない理由から車の本当の評価まで知ることで、購入後に後悔しないための判断材料が全て得られます。

タント ファンクロス 見かけない背景には、リコール問題や、知っておくべき欠点やデメリットがあるのかもしれません。

しかし、この車ならではの強みも多く、特にアウトドアや車中泊を楽しむ特定のターゲット層からは高く評価されています。

この記事では、女性ドライバーの視点、実際の乗り心地、リセールにも関わる人気色、そして現実的な燃費維持費に至るまで、あらゆる角度から徹底解説します。

この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。

タント ファンクロスを見かけない理由を徹底解説

ここでは、タント ファンクロスを街で見かける機会が少ないと言われる背景にある、販売実績やメーカーの問題、そして車両固有の課題について掘り下げていきます。

タント ファンクロスを見かけないのはなぜ？

タント ファンクロスを街であまり見かけないと感じるのには、いくつかの理由が複合的に絡んでいると考えられます。

まず、この車が持つ独自のポジションが挙げられます。

ファンクロスは、標準モデルのタントとは異なり、アウトドアという特定の趣味やライフスタイルを持つ層を主なターゲットに据えたモデルです。

そのため、日常の使い勝手を最優先し、より広い層に支持されるホンダのN-BOXやスズキのスペーシア、あるいは標準のタントといった車種に比べると、購入する層がもともと限定される傾向にあります。

また、軽スーパーハイトワゴンという人気カテゴリゆえの、熾烈な競争環境も一因です。

各社から魅力的なライバル車が多数登場しており、特にSUVテイストのモデルとしては三菱のデリカミニやスズキのスペーシアギアといった強力な競合が存在します。

これにより、ユーザーの選択肢が分散し、一台あたりの販売台数が伸び悩むことも考えられます。

デザインの好みもはっきりと分かれるため、結果として街で見かける頻度が少なく感じられるのかもしれません。

2024年の売れ行き販売実績と市場評価

2024年 月別	タントシリーズ販売台数
1月	4,849台
2月	1,963台
3月	982台
4月	1,866台
5月	6,174台
6月	11,933台
7月	12,576台

2024年におけるタント ファンクロスの販売実績は、年初の大きな落ち込みから回復基調へと転じた、まさに激動の年となっています。

年の前半は、後述するダイハツの認証不正問題に起因する生産・出荷停止の影響を直接受け、1月から4月にかけて販売台数が大幅に低迷しました。

特に2月には2,000台を割り込むなど、深刻な状況に陥りました。

しかし、2024年5月からは生産と販売が再開され、販売台数はV字回復を見せています。

データによると、5月には6,174台、6月には11,933台、そして7月には12,576台と、出荷停止前の水準を上回る月も見られるようになりました。

この回復力は、ファンクロスが持つ商品力と、待っていたユーザーが一定数いたことの証明と言えます。

ただ、市場全体の評価としては、依然として厳しい見方が多いのが実情です。

軽自動車販売ランキングでは月によってトップ3に食い込む健闘を見せる一方、年間を通してみると、絶対的な王者であるN-BOXや、コンセプトの近いスペーシアシリーズなどに水をあけられています。

市場評価をまとめると、「一部の固定ファンに強く支持されるが、市場全体を牽引するほどの勢いには至っていない」というのが現状のようです。

ダイハツの過ちが販売台数に与えた影響

ダイハツ工業株式会社（以下、ダイハツ）及びトヨタ自動車株式会社（以下、トヨタ）は、本日、ダイハツが開発した乗用車用のディーゼルエンジン（1GD、2GD、F33A）について、認証不正の問題が新たに判明したことを公表いたしました。

2023年に発覚したダイハツ工業の認証不正問題は、タント ファンクロスを含む全車種の販売台数に対して、直接的かつ深刻な悪影響を及ぼしました。

この問題の核心は、車両の安全性に関する国の認証試験において、長年にわたり不正な操作やデータ改ざんが行われていたことです。

これにより、企業のコンプライアンス意識の欠如が露呈し、ダイハツブランドへの信頼は大きく揺らぎました。

影響は二つの側面に現れます。

一つは、生産と出荷の一時停止による物理的な販売機会の喪失です。これにより、2024年の初頭から春にかけて、顧客が欲しくても買えない状況が続きました。

もう一つは、より根深い消費者心理への影響です。

特に軽自動車は、家族を乗せる機会が多いことから安全性が非常に重視されます。

そのため、安全性に関わる不正が発覚したことで、購入を検討していたユーザーがダイハツ車を敬遠し、競合他社のモデルへと流れる動きが加速したと考えられます。

インターネットの口コミ掲示板でも、メーカーの姿勢を問題視する厳しい意見が見られ、これが販売台数の回復を遅らせる一因になったことは否定できません。

最新リコール情報とユーザーからの不具合

タント ファンクロス リコール情報の概要
届出日	2024年6月6日
対象車両	タント ファンクロス（2022年9月～2024年4月製造分）
不具合の内容	後輪前方の床下にあるエアディフレクタ（整流板）の形状が、外装の技術基準に適合していない。
改善措置	全車両、エアディフレクタを対策品と無償で交換する。

タント ファンクロスの購入を検討する上で、公式に発表されたリコール情報と、実際に所有しているユーザーから寄せられる不具合の両方を把握しておくことが大切です。

公式リコール情報

後輪前方の床下に装着しているエアディフレクタにおいて、開発時の形状検証が不十分であったため、外装の技術基準（協定規則第２６号）に適合していません。

2024年6月6日、ダイハツはタント ファンクロスを含む約4万5千台を対象としたリコールを国土交通省に届け出ました。

内容は、後輪前方の床下に装着されている「エアディフレクタ」という樹脂製の整流板の形状が、国の定める外装の技術基準に適合していなかったというものです。

原因は開発時の形状検証が不十分だったためとされており、全対象車両でこの部品を対策品へと無償で交換する措置が取られます。

なお、このリコールは一連の認証不正問題とは関係がないと説明されています。

ユーザーから報告される不具合

一方で、リコール対象ではないものの、ユーザーが日常的に感じる不具合や不満点もいくつか報告されています。

口コミサイトなどでは、特にエンジン音やロードノイズが車内に聞こえやすいという、静粛性に関する指摘が目立ちます。

また、バックモニターなどを含むカメラの画質が低い、画面の切り替えに時間がかかるといった電装系の不満や、電動パーキングブレーキを解除する際のショックが大きいといった機械的な挙動に関する声も挙がっています。

これらは走行の安全性に直結するものではありませんが、日常的な快適性に影響する部分として、試乗の際に確認しておきたいポイントです。

後悔する硬い乗り心地？欠点とデメリット

タントファンクロスターボ納車されて1ヶ月。DNGAはゴツゴツして硬いとは聞いてたけど、想像以上だった。特に後席は結構跳ねるから家族からは不評。デザインは好きなのにちょっと残念。

タント ファンクロスは魅力的な車ですが、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、事前に知っておくべき欠点やデメリットも存在します。

特に多く指摘されるのが、乗り心地と実用性に関する部分です。

最大のデメリットとして挙げられるのは、やや硬めに感じられる乗り心地です。

ファンクロスはSUV風のアクティブなキャラクターに合わせて、走行時の安定性を高める設計がされています。

その結果、サスペンションが硬めのセッティングとなり、路面の凹凸や段差を通過する際の突き上げ感を強く感じることがあります。

特に、路面が荒れた道や長距離のドライブでは、快適性を重視する方にとっては疲れの原因になるかもしれません。

また、アウトドアや車中泊での使用に大きな期待を寄せている場合、シートアレンジの構造が欠点となる可能性があります。

後部座席を倒しても荷室が完全なフラットにならず、大きな段差が生じてしまいます。

この段差は、車内で快適に就寝する際の大きな妨げとなります。

この問題を解消するための純正アクセサリーとして上下2段調整式のデッキボードが用意されていますが、耐荷重が20kgと低く、重い荷物を載せるのには不向きという声もあります。

他にも、先進装備が充実している分、他の軽スーパーハイトワゴンと比較して車両価格が高めに設定されている点も、購入を検討する上でのデメリットとなり得ます。

タント ファンクロスを見かけないけど本当の実力は？

街で見かける頻度は高くないかもしれませんが、タント ファンクロスには他の車にはない独自の魅力と、確かな実力が備わっています。

ここでは、その強みや具体的な使い勝手、そして購入を考える上で気になるポイントを詳しく見ていきます。

他車にはない強みと独自の特徴

機能・特徴	タント ファンクロス	スズキ スペーシアギア	三菱 デリカミニ
助手席側ピラーレスドア	◯ (ミラクルオープンドア)	×	×
防水・撥水シート	◯ (標準装備)	◯ (標準装備)	◯ (グレード別装備)
ルーフレール	◯ (標準装備)	◯ (標準装備)	◯ (標準装備)

タント ファンクロスの持つ最大の強みであり、他のどのライバル車も持ち得ない独自の特徴は、ベースとなるタントから受け継いだ「ミラクルオープンドア」の存在です。

これは、助手席側のセンターピラー（前席ドアと後席スライドドアの間にある柱）をスライドドアに内蔵することで、ドアを開けた際に最大1490mmという圧倒的な開口幅を生み出すダイハツ独自の技術です。

この巨大な開口部は、日常生活からレジャーシーンまで、あらゆる場面で圧倒的な利便性をもたらします。

例えば、お子さんを抱いたままでもスムーズにチャイルドシートに乗せられたり、スーパーで買った大きな荷物や家具などを横から楽に積み込むことが可能です。

ファンクロスでは、この特徴がアウトドアというテーマと見事に融合しています。

クーラーボックスや折り畳みテーブル、テントといったかさばるキャンプ用品も、開口部が広いためストレスなく出し入れできます。

さらに、ファンクロス専用の装備として、シートや荷室のデッキボードの裏側には防水・撥水加工が施されています。

これにより、濡れたアウトドア用品や泥の付いた靴なども気兼ねなく積載でき、後片付けも簡単です。

デザイン面でも、力強いフロントグリルや標準装備のルーフレールが、アクティブなライフスタイルを演出します。

車中泊やアウトドアでの実用性を検証

タントファンクロスで車中泊を考えています。後部座席を倒したときの段差がかなり大きいと聞きました。実際に車中泊されている方は、どうやってフラットにしていますか？厚いマットを敷くだけで快適に眠れるものでしょうか？

タント ファンクロスは「アウトドア」をコンセプトに掲げていますが、その実用性はアクティビティの種類によって評価が分かれるところです。

まず、デイキャンプや釣り、海水浴といった日帰りのレジャーでは、非常に高い実用性を発揮します。

前述の通り、防水加工されたシートバックやラゲッジスペースは、濡れたり汚れたりした荷物を積む際に心理的な負担を大きく軽減してくれます。

標準装備のルーフレールにキャリアを取り付ければ、サーフボードや自転車といった大きな道具も積載可能です。

また、ミラクルオープンドアに専用のタープ（別売り）を連結すれば、車体側面をリビングスペースとして活用できるなど、楽しみ方の幅も広がります。

一方で、宿泊を伴う「車中泊」については、いくつかの工夫と割り切りが求められます。

最大の課題は、後部座席を倒した際に生じる大きな段差です。

このままでは快適に眠ることは難しく、段差を埋めるための厚手のマットや、市販のベッドキット、あるいはDIYによる床面のフラット化が必須となります。

この一点において、フルフラットになるライバル車に比べて一手間かかることは否定できません。

したがって、ファンクロスのアウトドア性能は、日帰りレジャーでは頼もしい相棒となり、車中泊ではユーザーの工夫次第で秘密基地にもなる、といった評価が的確かもしれません。

女性ドライバー視点でのメリットと注意点

タント ファンクロスは、SUVテイストのタフな見た目とは裏腹に、女性ドライバーにとっても多くのメリットを備えた一台です。

ただし、いくつか注意しておきたい点もあります。

女性にとってのメリット

運転席に座ってまず感じるのは、視界の広さです。フロントガラスが大きく、ピラーも比較的細いため、見晴らしが良く運転しやすいという声が多く聞かれます。

死角が少ないことは、安全運転に直結する大切な要素です。

そして何より、ミラクルオープンドアの利便性は、特に小さなお子さんを持つ女性にとって大きな魅力となります。

両手がふさがりがちな子育てシーンにおいて、広い開口部はチャイルドシートへの乗せ降ろしを劇的に楽にしてくれます。

また、ボディカラーに「サンドベージュメタリック」のような落ち着いたアースカラーが設定されており、個性的でありながら上品なスタイルを好む女性からも支持されています。

女性が注意したいポイント

注意点としては、まず車体の高さが挙げられます。

ベースのタントに比べてルーフレールの分だけ全高が高くなっているため、古いタイプの立体駐車場などでは高さ制限に引っかからないか、事前に確認が必要です。

また、乗り心地がやや硬めであるため、同乗する家族、特に乗り物酔いをしやすいお子さんがいる場合は、購入前に家族全員で試乗し、快適性をチェックすることをおすすめします。

力強いデザインですが、運転感覚は軽自動車そのものなので、取り回しに不安を感じる必要は少ないでしょう。

人気色とリセールバリューの関係性

車を購入する際、ボディカラーは満足度を左右するだけでなく、数年後に手放す際の売却価格、つまりリセールバリューにも大きく影響します。

タント ファンクロスにおいては、定番の人気色と、この車の個性を象徴する色が共に高い価値を維持する傾向にあります。

データベースの情報や中古車市場の動向を総合すると、特に人気が高いのは以下の3色です。

一つ目は「シャイニングホワイトパール」です。

清潔感と高級感を両立し、流行に左右されない定番カラーとして、あらゆる車種で高いリセールバリューを誇ります。

汚れや傷が目立ちにくいという実用的なメリットもあります。

二つ目は「ブラックマイカメタリック」です。

引き締まった印象を与える黒もまた、性別や年齢を問わず人気の高い定番色です。

SUVテイストのデザインと相まって、精悍なイメージを演出します。

そして三つ目が、ファンクロスのイメージカラーとも言える「サンドベージュメタリック」です。

アウトドアの雰囲気にマッチしたこの色は、ファンクロスの個性を最もよく表しており、「この色が欲しくてファンクロスを選ぶ」というユーザーも少なくありません。

これらの人気色を選択することは、満足のいくカーライフを送るだけでなく、将来的な資産価値を維持する上でも賢明な選択と考えられます。

実際の燃費と年間の維持費はいくら？

タント ファンクロス 燃費性能一覧 (WLTCモード)
自然吸気エンジン (2WD)	21.9 km/L
自然吸気エンジン (4WD)	21.4 km/L
ターボエンジン (2WD)	20.6 km/L
ターボエンジン (4WD)	20.6 km/L

タント ファンクロスの購入を現実的に考える上で、燃費性能と年間の維持費は避けて通れないテーマです。

燃費性能について

まず燃費ですが、メーカーが公表しているカタログ燃費（WLTCモード）は、自然吸気（NA）エンジンの2WDモデルで21.9km/Lと、軽スーパーハイトワゴンとしては良好な数値を達成しています。

ただし、これはあくまで理想的な条件下での数値であり、実際の燃費は運転スタイルや走行環境によって変わります。

ユーザーからの報告を総合すると、信号の多い市街地走行が中心の場合は15～18km/L程度、高速道路などスムーズに走行できる環境では20km/L前後に落ち着くことが多いようです。

ターボエンジン搭載モデルは、NAモデルよりも1～2km/Lほど数値が低くなる傾向にあります。

年間の維持費について

年間の維持費は、主に税金、保険料、そして燃料代やメンテナンス費用で構成されます。

軽自動車税は、年間で一律10,800円です。

これは普通車と比較して大きなメリットとなります。

これに加えて、車検時に支払う重量税や自賠責保険料、そして任意保険料がかかります。

任意保険料は年齢や等級によって大きく異なりますが、複数の保険会社から見積もりを取ることで費用を抑えることが可能です。

これらに日々のガソリン代と、定期的なオイル交換やタイヤなどの消耗品にかかるメンテナンス費用を加えたものが、年間のトータルコストとなります。全体として、維持費は他の同クラスの軽自動車と大差なく、経済的な水準にあると言えます。

「タント ファンクロスを見かけない5つの理由と強みと欠点など完全解説」のまとめ

• タント ファンクロスはアウトドア志向のユーザーをターゲットとした軽スーパーハイトワゴン
• 街で見かけない理由にはニッチな市場戦略と競合車の存在が挙げられる
• 2024年の販売台数はダイハツの不正問題で年初に低迷後5月から回復傾向
• メーカーの認証不正問題はブランドの信頼性に影響し販売の足かせとなった
• 2024年6月に後輪前の床下部品に関するリコールが発表されている
• ユーザーからは静粛性の低さや乗り心地の硬さが不満点として挙がることがある
• 最大の欠点は後部座席を倒した際にフルフラットにならないこと
• 最大の強みはライバル車にはない「ミラクルオープンドア」の圧倒的な利便性
• シートや荷室には防水・撥水加工が施されアウトドアでの使用に便利
• 日帰りレジャーでの実用性は高いが本格的な車中泊には工夫が必要
• 視界が広く運転しやすいため女性ドライバーにもメリットが多い
• 人気色はホワイト、ブラック、そしてイメージカラーのサンドベージュ
• 人気色を選ぶことは高いリセールバリューにつながる可能性がある
• 実燃費は市街地で15～18km/L程度が目安で維持費は標準的な軽自動車の水準
• 日常の利便性と週末の遊び心を両立させたいファミリー層に特におすすめ