プリウスPHVのデメリットとは、自宅での充電環境や走行距離など、乗り手のライフスタイルを選ぶ車である点が最大のポイントです。
その言葉の通り、購入後に後悔しないためには、プリウスPHVとHEVのどちらがいいかというphv hev 違いを正しく理解する必要があります。例えば、自宅充電できない環境での使い勝手や、カタログ通りの航続距離が本当に出るのか、バッテリーが切れた後のガソリンのみ燃費はどうか、そして室内が狭いと感じるかや荷室の実用性など、具体的なプリウス phv デメリットは多岐にわたります。
また、金銭的な側面も無視できません。新車の価格だけでなく将来的な維持費、そして中古はやめたほうがいいと言われる理由や、逆に安い理由とリセールバリューの評価も重要です。特に、手頃な30プリウスPHVから大幅に進化した新型モデルまで、どの世代を選ぶかによって注意点は大きく異なります。
この記事では、これらの疑問や不安を一つひとつ解消し、最終的にどのような人がおすすめな人なのかを明確にしていきます。
- プリウスPHVの具体的なデメリットがわかる
- 標準的なハイブリッドモデルとの違いが明確になる
- 中古車選びで失敗しないためのポイントを学べる
- 自分のライフスタイルにプリウスPHVが合うか判断できる
目次
購入前に知るべきプリウスphvのデメリット
- デメリットを知って後悔のない車選び
- 自宅充電できない場合の注意点とは
- EVでの航続距離は実際どのくらい?
- ガソリンのみ燃費は期待できない?
- 室内は狭い?荷室の実用性を確認
- 車両価格と購入後の維持費について
- 初代30プリウスPHVのデメリット
デメリットを知って後悔のない車選び
プリウスPHVは、ハイブリッド技術の先駆者であるトヨタが、さらなる環境性能を追求して生み出したプラグインハイブリッド車です。ガソリンエンジンと電気モーターを効率的に使い分けるだけでなく、外部電源から直接バッテリーを充電できることで、電気自動車(EV)としての側面も持ち合わせています。この先進性から多くの注目を集める一方、その特殊な仕組みゆえの注意点も存在します。
メリットだけに目を向けて購入を決断してしまうと、実際のカーライフで「こんなはずではなかった」というギャップに直面し、後悔につながる可能性があります。言ってしまえば、プリウスPHVは乗り手のライフスタイルを選ぶ車なのです。この記事では、あなたが後悔のない最適な選択をするために、充電環境、実際の走行性能、コスト面といった様々な角度から、事前に知っておくべきデメリットを深く掘り下げていきます。ぜひ、ご自身の使い方と照らし合わせながら読み進めてください。
自宅充電できない場合の注意点とは
プリウスPHVの最大のメリットであり、その存在意義とも言えるのが、自宅で充電し、電気自動車として日常的に活用できる点にあります。このため、自宅に充電設備を設置できない環境にある場合、PHVが持つ魅力の大部分は失われてしまいます。特に、マンションやアパートなどの集合住宅では管理規約によって工事が許可されなかったり、月極駐車場では電源の確保が物理的に不可能だったりするケースが少なくありません。
もちろん、代替案として商業施設やカーディーラーなどに設置されている公共の充電スタンドを利用する方法もあります。しかし、これにはいくつかの現実的な課題が伴います。ガソリンの給油がわずか数分で完了するのに対し、公共の急速充電器を使ってもバッテリー容量の約8割まで充電するのに20分〜30分程度、普通充電器の場合は満充電まで数時間を要します。
公共充電スタンドの現実
毎回のお出かけのたびに充電時間を確保し、空いているスタンドを探し、場合によっては順番待ちをするという手間は、想像以上にストレスとなる可能性があります。また、充電料金も無料とは限らず、月額制の充電カードの費用や都度の利用料を考慮すると、必ずしもガソリン代より大幅に安くなるとは限りません。
このように、自宅で充電できない環境は、PHVの経済的なメリットを損なうだけでなく、利便性の面でも大きなデメリットとなり得ます。プリウスPHVの購入を検討する上で、まずは安定した充電環境を確保できるかどうかが、最も重要な判断基準と言えるでしょう。
EVでの航続距離は実際どのくらい?
プリウスPHVモデル別 EV航続距離の目安 | ||
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モデル | カタログ値 (WLTC) | 実走行の目安 (冬場など) |
2代目 (50系) | 68.2km | 約35km ~ 50km |
新型 (5代目・19インチ) | 87km | 約50km ~ 65km |
プリウスPHVの大きな魅力は、エンジンを始動せずに電気だけで走行できる航続距離の長さです。例えば、2017年に発売された2代目モデル(通称50系)ではカタログ上で68.2km、そして2023年にフルモデルチェンジした新型モデルでは87km(19インチタイヤ装着時)もの距離をEV走行できるとされています。この距離内であれば、日々の通勤や買い物といったほとんどの移動を、ガソリンを一切消費せず、静かで滑らかにこなすことが可能です。
ただし、このカタログ値は国際的な測定方法であるWLTCモードに基づいたものであり、あくまで特定の条件下での数値である点には注意が必要です。実際の航続距離は、ドライバーの運転スタイルや、季節、特に外気温によって大きく左右されます。
航続距離に影響を与える主な要因
季節(外気温): リチウムイオンバッテリーは温度変化に敏感です。特に気温が低い冬場は、バッテリー自体の性能が低下することに加え、暖房(特に熱線を用いるヒーター)の使用が電力を大きく消費するため、EV航続距離がカタログ値の5割〜7割程度まで落ち込むことも珍しくありません。同様に、夏場の冷房使用も航続距離を短くする要因です。
運転スタイル: 急加速や急ブレーキを繰り返す運転は、電力を無駄に消費します。逆に、穏やかなアクセル操作を心がけるエコドライブを実践することで、航続距離を伸ばすことができます。
走行環境: 高速道路での連続走行は、一般道に比べてモーターの効率が落ちやすく、バッテリーの消費が早まる傾向にあります。
「思ったよりも電気だけで走れる距離が短い」という感想を持つユーザーも少なくないため、ご自身の主な移動ルートや距離を考え、季節による変動も考慮した上で、実用性を慎重に判断することが大切です。
ガソリンのみ燃費は期待できない?
50系プリウス PHV vs HEV 比較 (HV走行時) | ||
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モデル | 車両重量 | 燃費 (WLTCモード) |
プリウスPHV | 1,530kg | 30.3km/L |
プリウスHEV (2WD) | 1,370kg | 30.8km/L |
プリウスPHVは、駆動用バッテリーの電力が尽きた後、自動的に通常のハイブリッド車として走行するモード(HV走行)に切り替わります。この状態での燃費性能も、長距離移動などを考慮する上で重要なポイントです。2代目モデル(50系)を例にとると、HV走行時のWLTCモード燃費は30.3km/Lと公表されており、これだけでも非常に優れた数値であることは間違いありません。
しかし、ここで見落としてはならないのが「車両重量」です。プリウスPHVは、外部充電を可能にするための大容量バッテリーや関連機器を搭載しているため、同じ世代の通常のハイブリッドモデル(プリウスHEV)に比べて車両が重くなっています。
モデル(50系・2WD・同等グレード比較) | 車両重量 | WLTCモード燃費 |
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プリウスPHV | 1,530kg | 30.3km/L |
プリウスHEV | 1,370kg | 30.8km/L |
上記のように、車両重量には160kgもの差があります。このため、バッテリーの電力を使い切った状態で純粋なハイブリッド車として走行した場合、より軽量なプリウスHEVの方が燃費性能でわずかに上回る傾向にあります。言ってしまえば、充電が切れたプリウスPHVは「重りを載せたプリウス」として走ることになるのです。日常的に充電を怠り、HV走行がメインの使い方になってしまうと、PHVならではの経済的なメリットを活かせないだけでなく、燃費面でも最適な選択とは言えなくなってしまいます。
室内は狭い?荷室の実用性を確認
50系プリウス PHV vs HEV 荷室容量比較 | |
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モデル | 荷室容量 (VDA方式) |
プリウスPHV | 360L |
プリウスHEV (2WD) | 502L |
プリウスPHVのデメリットとして、ユーザーからしばしば指摘されるのがラゲージスペース(荷室)の広さです。これは、PHVシステムの根幹をなす大容量の駆動用バッテリーを車体の床下に搭載していることに起因します。バッテリーを収めるスペースを確保するため、荷室の床面が通常のプリウスHEVよりも高く設計されており、その結果として荷室全体の容量が犠牲になっているのです。
具体的に50系プリウスで比較すると、HEVモデル(2WD)の荷室容量が502Lであるのに対し、PHVモデルは360Lと、約3割も小さくなっています。この差は、特にスーツケースやアウトドア用品、ベビーカーといった高さのある荷物を積む際に、「思ったように積めない」という不満として現れやすくなります。
ゴルフバッグの積載数から見る実用性
実用性の一つの目安として、メーカーは9.5インチのゴルフバッグを2個搭載可能としています。しかし、HEVモデルであれば3個から4個積めるケースもあるため、ゴルフを趣味とする方や、家族での旅行、多くの荷物を積む機会が多い方にとっては、この積載性の違いは明確なデメリットと感じられるでしょう。
一方で、後部座席の居住空間については、バッテリー搭載の影響はほとんどありません。足元や頭上のスペースはHEVモデルと同等が確保されているため、乗員の快適性が損なわれる心配は少ないです。とはいえ、車全体の使い勝手を考える上で、荷室の広さは重要な要素。購入前には必ず実車で、ご自身が積むであろう荷物を想定しながら広さを確認することをおすすめします。
車両価格と購入後の維持費について
新型プリウス PHV vs HEV 価格比較 (Gグレード) | ||
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モデル | 新車価格 (税込) | 備考 |
プリウスPHV | 4,600,000円 (Zグレード) | 国のCEV補助金 (55万円) 対象 |
プリウスHEV (2WD) | 3,200,000円 | – |
プリウスPHVは、高度なプラグインハイブリッドシステムと大容量バッテリーを搭載している分、車両本体の価格が通常のプリウスHEVに比べて高額に設定されています。新車価格で同等のグレードを比較すると、数十万円の価格差があり、これが購入時の初期投資における大きなハードルとなります。
この初期費用の負担を軽減するために、国や地方自治体は補助金制度を設けています。例えば、経済産業省が管轄する「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」では、新型プリウスPHVの場合、55万円の補助が受けられます。(出典:一般社団法人次世代自動車振興センター)こうした制度を最大限活用することで、実質的な購入価格を抑えることが可能です。
維持費の面では、自宅での充電を基本とすることでガソリン代を劇的に節約できるという大きなメリットがあります。しかし、長期的な視点で見ると、将来的な懸念点として駆動用バッテリーの劣化と、それに伴う交換費用が挙げられます。
将来的なバッテリー交換費用は高額
駆動用バッテリーは消耗品であり、充放電を繰り返すことで性能が徐々に低下していきます。トヨタでは「新車から5年間または走行距離10万kmまで」のメーカー保証に加え、「新車から8年間または走行距離16万kmまで」のハイブリッド機構特別保証を設けていますが、保証期間を超えて交換が必要になった場合、その費用は数十万円単位の高額な出費となる可能性があります。日々の燃料代の節約分と、この将来的な交換費用、そして初期費用の高さを天秤にかけ、総合的なコストパフォーマンスを慎重に判断することが重要です。
初代30プリウスPHVのデメリット
プリウスPHV 世代別スペック比較 | ||
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項目 | 初代 (30系) | 2代目 (50系) |
EV航続距離 (カタログ値) | 26.4km | 68.2km |
急速充電 | 非対応 | 対応 |
バッテリー容量 | 4.4kWh | 8.8kWh |
中古車市場において、非常に手頃な価格で流通している初代プリウスPHV(30系、2012年〜2016年販売)ですが、購入を検討する際には特に注意が必要です。現在の技術水準から見ると性能面に大きな隔たりがあり、価格の安さだけで選んでしまうと、PHVならではのメリットをほとんど享受できずに終わる可能性があります。
初代モデルが抱える具体的なデメリットは以下の通りです。
初代(30系)プリウスPHVの知っておくべき主なデメリット
EV走行距離が極端に短い:
カタログ値でのEV航続距離は26.4kmです。これは2代目以降のモデルの半分以下であり、実際の走行ではエアコンの使用などですぐに20kmを下回ることも珍しくありません。片道10km程度の通勤ですら、往復を電気だけで走り切るのは難しいレベルです。
急速充電に非対応:
初代モデルは家庭用の100V/200Vによる普通充電にしか対応していません。そのため、商業施設などにある急速充電器は利用できず、外出先で手軽に充電するという選択肢がありません。一度バッテリーが切れると、自宅に帰るまで充電できないのです。
バッテリー容量と動力性能:
搭載されるバッテリー容量が4.4kWhと小さいため、そもそも電力によるアシストの恩恵を受けられる場面が限られます。電力が尽きた後は、ただでさえ重い車体を非力なエンジンで動かすことになり、加速性能や燃費が悪化しやすくなります。
ラゲッジスペースの制約:
バッテリーの搭載方法が洗練されておらず、荷室空間への影響が2代目以降のモデルよりさらに大きくなっています。実用性はかなり低いと言わざるを得ません。
これらの点を踏まえると、初代30系プリウスPHVは、現代のPHVに期待される性能や利便性を満たしているとは言い難いのが実情です。中古車でPHVを検討するのであれば、性能が飛躍的に向上した2代目(50系)以降のモデルを強くおすすめします。
比較でわかるプリウスphvのデメリットと賢い選択
- プリウスPHVとHEVの決定的な違い
- 結局プリウスとプリウスphvどっちがいい?
- 中古はやめたほうがいい?安い理由とリセール
- 新型プリウスPHVはどうなのか?
- どんな人におすすめ?実際の評価は
- まとめ|プリウスphvのデメリットを理解する
プリウスPHVとHEVの決定的な違い
プリウスPHVと、一般的に「プリウス」として知られるHEV(ハイブリッド車)は、見た目こそ非常に似ていますが、その心臓部であるパワートレインの考え方と日常での使い方が根本的に異なります。この違いは、トヨタがハイブリッド技術を普及させた後、さらなる電動化社会へのステップとしてPHVを開発したという歴史的背景から来ています。どちらが自分のライフスタイルに適しているかを判断するためには、まずこの決定的な違いを明確に理解することが不可欠です。
最大の違いは「外部電源から充電できるか否か」であり、そこから派生する「電気だけで走れる距離」が、両者の性格を大きく分けています。
項目 | プリウスPHV (プラグインハイブリッド) | プリウスHEV (ハイブリッド) |
---|---|---|
コンセプト | 電気自動車に近いハイブリッド車 | エンジンが主役の燃費の良い車 |
動力源 | エンジン + モーター(外部充電可) | エンジン + モーター(外部充電不可) |
日常の走り方 | 基本は電気で走行、エンジンは補助 | 基本はエンジンで走行、モーターは補助 |
EV走行距離 | 長い(例:新型で87km) | ごく僅か(数km程度) |
車両価格 | 高い(補助金あり) | 比較的安い |
荷室容量 | 狭い(バッテリーで底上げ) | 広い |
給電機能 | 可能(V2L/V2H対応) | 一部グレードで可能(1500Wコンセント) |
このように表で比較すると、PHVがEVとしての性格を強く持つのに対し、HEVはあくまでエンジンの効率を高めるためにモーターを利用していることがわかります。ご自身のカーライフが、どちらの特性により大きな価値を見出すか、冷静に見極めることが賢い選択の第一歩となります。
結局プリウスとプリウスphvどっちがいい?
PHVとHEVの技術的な違いを理解した上で、最終的にどちらのモデルを選ぶべきかは、利用者の住環境や車の使い方によって明確に結論が分かれます。高価で多機能なPHVが、必ずしも全ての人にとって最適な選択とは限りません。以下に、それぞれのモデルがどのような人に最もおすすめできるかを具体的にまとめました。
プリウスPHVがおすすめな人
- 自宅に充電設備を設置できる: これが最も重要な条件です。毎日のエネルギーコストを電気代だけで賄えるため、PHVの経済的メリットを最大限に享受できます。
- 1日の走行距離が短い: 毎日の通勤や買い物などの走行距離が、EV航続距離(新型なら87kmなど)に収まることが多い場合、ガソリンスタンドに行く頻度を劇的に減らせます。
- 環境性能を最重視する: CO2排出量をできるだけ抑え、化石燃料に頼らないカーライフを送りたいという強い意志を持つ方。
- 災害時の備えをしたい: 停電時などに車を非常用電源として活用できるV2L(ヴィークル・トゥ・ロード)機能に大きな価値を感じる方。
- 初期費用を許容できる: 補助金を活用してもなお残るHEVとの価格差を、将来の燃料代節約や先進性への投資として納得できる方。
プリウスHEVがおすすめな人
- 自宅に充電環境がない: 集合住宅や月極駐車場などで、充電設備の設置が現実的でない場合、HEVが合理的でストレスのない選択です。
- 長距離移動が多い: 高速道路を使った出張や旅行など、充電場所や時間を気にすることなく、どこへでも気軽に出かけたい方。
- 初期費用を抑えたい: できるだけ購入時の出費を抑えつつ、優れた燃費性能を手に入れたい堅実な方。
- 積載性を重視する: 家族でのレジャーや多くの荷物を運ぶ機会が多く、広いラゲージスペースが必要不可欠な方。
- シンプルな使い勝手を求める: 充電という新たな習慣を生活に取り入れることなく、従来通りの給油だけで完結する手軽さを好む方。
あなたのカーライフを具体的に想像し、どちらのメリットがご自身の価値観や生活スタイルにより大きく貢献するかを比較検討することが、後悔しない最適な一台を見つけるための最も確実な方法です。
中古はやめたほうがいい?安い理由とリセール
新車では高価なプリウスPHVも、中古車市場では走行距離や年式に応じて価格がこなれており、魅力的な選択肢に見えるかもしれません。しかし、インターネット上などで「中古のPHVはやめたほうがいい」という意見が見られるのには、明確な理由があります。その最大の要因は、やはり駆動用バッテリーの経年劣化という、電動車ならではのリスクです。
中古車市場でプリウスPHVの価格が比較的安く設定されている背景には、主に以下の理由が考えられます。
中古PHVが安い理由
- バッテリー劣化への潜在的リスク:
バッテリーは走行距離や年月の経過とともに性能が低下する消耗品です。中古車の場合、前のオーナーの使用状況(充電頻度や保管環境など)が不明なため、購入時点でどの程度劣化しているかを正確に把握するのが困難です。EV航続距離が想定より短い、あるいは将来的に高額な交換費用が発生するかもしれない、というリスクが価格に織り込まれています。 - 技術の陳腐化と新型モデルの登場:
電動化技術は日進月歩です。より高性能で航続距離の長い新型モデルが登場すると、旧型モデルの市場価値は相対的に大きく下落します。特にプリウスPHVはこの傾向が顕著で、世代間の性能差が大きいため、型落ちによる値下がり幅も大きくなりがちです。
リセールバリュー(再販価値)を考える上でも、このバッテリーの健康状態が査定の最重要項目となります。信頼できる中古車販売店では、ハイブリッドシステムの診断を行い、バッテリーの状態をある程度開示してくれる場合があります。中古のプリウスPHVを検討する際は、価格の安さだけで飛びつかず、保証制度が充実している店舗を選び、バッテリーの状態に関する情報をできる限り確認することが、失敗を避けるための重要なポイントです。
新型プリウスPHVはどうなのか?
プリウスPHV 新旧パフォーマンス比較 | ||
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項目 | 旧型 (50系) | 新型 (5代目) |
システム最高出力 | 122PS | 223PS |
0-100km/h 加速 | 約11.1秒 | 6.7秒 |
EV航続距離 (WLTC) | 68.2km | 87km~105km |
2023年に市場に投入された5代目の新型プリウスPHVは、これまでのモデルが抱えていた多くのデメリットを技術の力で克服し、PHVの概念を新たなステージへと引き上げた革新的な一台と言えます。もしあなたが今プリウスPHVを検討しているなら、この新型モデルの劇的な進化を知らずに判断を下すことはできません。
トヨタの公式サイトでも紹介されている通り、新型モデルには最新の「2.0Lプラグインハイブリッドシステム」が搭載され、従来モデルとは一線を画すパフォーマンスを実現しています。(出典:トヨタ自動車株式会社 PRIUS公式サイト)
新型プリウスPHVの目覚ましい進化点
スポーツカーに匹敵する動力性能:
従来モデルのユーザーから指摘されることの多かった「走りの物足りなさ」は、完全に過去のものとなりました。エンジンとモーターを合わせたシステム最高出力は223PSに達し、0-100km/h加速タイムは6.7秒を記録。これは多くのスポーツセダンに匹敵する数値であり、力強く爽快な加速感を味わえます。
大幅に延長されたEV航続距離:
高効率化されたシステムと大容量バッテリーの採用により、実用性が飛躍的に向上しました。標準の19インチタイヤ装着車で87km、オプションの17インチタイヤ装着車では105kmというEV航続距離を達成。これにより、多くのユーザーが日常生活のほぼ全てをガソリンを使わずにカバーできるようになりました。
感情に訴えかけるデザイン:
「Hybrid Reborn」をコンセプトに、低重心で流麗なクーペのようなスタイリングへと生まれ変わりました。燃費性能だけでなく、所有する喜びや見た目の美しさを重視するユーザー層にも強くアピールします。
強化された給電機能:
最大1500WのAC100Vコンセントに加え、外部への電力供給を可能にするV2L(ビークル・トゥ・ロード)にも対応。アウトドアレジャーはもちろん、災害による停電時には家全体の電力を数日間賄うことができるなど、「移動できる電源」としての価値が大きく高まっています。
このように、走行性能、航続距離、デザイン、実用性の多くでデメリットが改善されています。しかし、その一方で、車両価格はZグレードで460万円からと、高級車と呼べる価格帯に設定されました。この飛躍的な性能向上と、それに伴う価格上昇のバランスをどう評価するかが、新型を選ぶ上での新たな、そして最大の検討ポイントと言えるでしょう。
どんな人におすすめ?実際の評価は
これまでに解説した全ての情報を総合すると、プリウスPHVは「万人向けの車」ではなく、その特性とメリットを最大限に活かせる、特定のライフスタイルを持つ人にこそ最適な「乗り手を選ぶ車」であるという結論に至ります。実際のオーナー評価を見ても、その生活に見事に合致した人からは「最高の相棒」と絶賛される一方で、期待と異なった使い方をしている人からは「期待外れだった」という厳しい声も聞かれます。
結局のところ、プリウスPHVを購入して心から満足できるのは、次の条件に当てはまる人です。あなたの生活と照らし合わせてみてください。
- 【最重要】戸建てや充電設備付きマンションに住み、自宅に自分専用の充電環境を確実に確保できる人。
- 片道の通勤・通学距離が20〜30km圏内で、日々の移動のほとんどを電気の力だけでカバーできる見込みがある人。
- 環境問題への意識が高く、ガソリンの消費とCO2排出を極力ゼロに近づけたいという明確な価値観を持つ人。
- ガソリンスタンドに行く手間を減らし、静かで滑らかなEV走行の乗り心地に魅力を感じる人。
- 災害時の停電などに備え、車を「移動できる蓄電池」として活用したいと考えている人。
- 国の補助金などを活用した上で、HEVモデルとの価格差を先進技術への投資として前向きに捉えられる人。
逆に言えば、上記に当てはまらない方、例えば「マンションの駐車場に充電器がない」「仕事で毎日100km以上の長距離を走る」「とにかく初期費用を安く抑えたい」といった場合には、無理にPHVを選ぶ必要はありません。その場合は、よりシンプルで価格も手頃な通常のプリウスHEVや、他の低燃費なハイブリッド車の方が、結果的に満足度の高いカーライフを送れる可能性が高いでしょう。
「プリウスPHVのデメリット10選!後悔しない選び方総まとめ」のまとめ
プリウスPHVは、電気自動車のメリットとハイブリッド車の利便性を融合させた、時代の最先端を行く一台です。しかし、その先進的な仕組みゆえに、購入前に理解しておくべきデメリットや注意点も数多く存在します。その特性を正しく把握し、ご自身のライフスタイルに合っているかを見極めることが、後悔しない車選びの鍵となります。最後に、この記事で解説したプリウスphvのデメリットと重要なポイントを改めて一覧でまとめます。
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- 自宅に充電設備がないとPHVの経済的メリットは半減する
- 公共充電は時間と手間がかかり日常的な利用には向かない
- EV航続距離は季節や運転で変動し特に冬場は短くなる傾向がある
- バッテリーが切れると車重の重いHEVとなり燃費が若干悪化する
– 大容量バッテリーの搭載により荷室が狭く積載性が犠牲になっている
- 車両価格がHEVモデルよりも数十万円高く初期投資が大きい
- 将来的に高額なバッテリー交換費用が発生するリスクを考慮する必要がある
- 初代30系は性能面で見劣りする点が多く中古車選びでは特に注意が必要
- PHVとHEVは「電気主体」か「エンジン主体」かという根本的な設計思想が違う
- どちらが良いかはライフスタイル(1日の走行距離や充電環境)によって明確に決まる
- 中古車はバッテリー劣化のリスクがあり価格が安い理由を正しく理解すべき
- リセールバリュー(再販価値)はバッテリーの健康状態に大きく左右される
- 新型プリウスPHVは走行性能や航続距離といった弱点が大幅に向上している
- 一方で新型は価格も大幅に上昇しておりコスト面のデメリットは依然として残る
- 最終的にPHVは「毎日自宅で充電できる環境で短距離移動が多い人」に最適な車である