プリウス4WDは安心感がある一方で、モーター出力の弱さや整備費用の高さが欠点です。
それでも「雪道でも滑らず走れるのか」「切り替えはスムーズなのか」「新車価格と中古車の価格差はどれくらいか」といった点は、多くの人が気になる部分です。また、4WDはいつから搭載され始めたのか、2WDとの違いや、結局どっちのほうがいいのかといった疑問もつきものです。
この記事では、プリウス4WDに関する基本情報から、実際に知っておくべき注意点までを網羅的に紹介していきます。購入を検討している方や、今後のカーライフの参考にしたい方はぜひチェックしてみてください。

スポンサードリンク
記事のポイント
  • プリウス4WDのE-Fourにはモーター出力の限界がある
  • カタログ燃費と実燃費に差があることを理解する
  • 新車価格は2WDよりも20万円前後高めに設定されている
  • 整備費用や部品構造が複雑になり維持費が上がる傾向にある
スポンサードリンク

プリウス4wdの欠点を徹底検証してみた

  • E-Fourの欠点は?
  • 50プリウス4wdの実燃費とカタログ燃費の差
  • プリウス4wdの新車価格は高い?
  • 4WDの切り替えの仕組みと限界
  • プリウスがやばいと言われる理由は?
  • 故障リスクと4WD特有の整備コスト

E-Fourの欠点は?

E-Fourとは、トヨタがハイブリッド車に採用している電気式の4WDシステムのことです。前輪で走行する通常の2WD走行が基本で、滑りやすい場面などで後輪に電力を供給し、4WDのように動作します。燃費に配慮しながら走行安定性も得られる点が特徴ですが、いくつかの注意すべき欠点もあります。

まず、後輪のモーター出力があまり高くないという点が挙げられます。5代目プリウスでは改善されたとはいえ、後輪モーターのパワーは前輪と比べてかなり控えめです。そのため、雪道や坂道での走行支援は行えるものの、本格的なオフロードや深い雪では力不足を感じる可能性があります。特に、初期に搭載されていた4代目プリウスのE-Fourは、後輪のモーター出力がわずか7馬力程度しかなく、発進時など限定的なシーンでしか4WDの恩恵が得られませんでした。

また、すべての走行シーンで4WDが働いているわけではない点も誤解されがちです。E-Fourは必要なときだけ後輪に駆動力を送る「スタンバイ型」のシステムです。高速道路のようなスピード域では後輪のモーターが停止する仕組みになっているため、雪道などの安定性を期待していたユーザーにとっては物足りなさを感じるケースもあるでしょう。

加えて、切り替えのレスポンスが遅れる場面もあります。路面の滑りを検知してから後輪へ駆動力が加わるまでに一瞬のタイムラグがあるため、急な路面状況の変化にすぐ対応しきれないこともあるのです。電子制御ならではの特徴ではありますが、即座にグリップ力を必要とする場面では弱点になり得ます。

最後に、価格と維持費の面も無視できません。E-Four搭載車は2WDモデルに比べて価格が約20万円以上高くなる傾向があり、構造が複雑になる分、修理やメンテナンスにかかるコストも上がる可能性があります。日常使いでは大きな差が出にくいため、使用環境によってはコストパフォーマンスに疑問を感じる人もいるかもしれません。

このように、E-Fourは雪道や雨の日に安心感を与えてくれる一方で、限界があることも理解しておく必要があります。購入時には自分の使い方に合っているかを冷静に見極めることが大切です。

50プリウス4wdの実燃費とカタログ燃費の差

50系プリウスの4WDモデルは、カタログ燃費と実際の使用時の燃費に差が出やすいという特徴があります。もちろんこれはプリウスに限った話ではありませんが、購入を検討している人にとっては重要なポイントになります。

カタログ燃費とは、国の定めた測定方法(WLTCモード)に基づき、理想的な環境下でテストされた結果です。50系プリウスの4WD(E-Four)モデルでは、WLTCモードで25.4km/L〜28.3km/Lとされています。数値としては十分に優秀な部類ですが、実際に街中や高速道路で使ってみると、その数値通りに走れることは少ないです。

一般的に、プリウス50系の4WDモデルの実燃費は、おおよそ22km/L前後と言われています。これは、カタログ値に比べて2〜6km/L程度の開きがある計算になります。なぜ差が出るのかというと、まず気温や渋滞、エアコン使用などの「日常の走行条件」が理想とは異なるからです。とくに冬場の寒冷地では、暖房の使用がバッテリーに影響を与え、燃費がさらに落ちることがあります。

さらに、4WDモデルは2WDよりも60kgほど車重が重くなっているため、その分のエネルギーが必要になります。この重量増加が走行効率に影響し、燃費をわずかに悪化させてしまうのです。加えて、E-Fourの機構自体もモーターや制御ユニットを動かす分だけエネルギーを消費するため、少なからず燃費に響きます。

このように、実燃費は使用環境や運転の仕方によって左右されやすいです。一方で、2WDと比べた場合の燃費差はおおむね1.5〜2.0km/L程度とされており、それほど大きな違いではありません。むしろ、4WDの安心感を重視したい人にとっては、許容できる範囲だと言えるでしょう。

燃費を少しでも良く保ちたいのであれば、急発進や急加速を避ける運転、こまめなメンテナンス、適正なタイヤ空気圧の維持などが効果的です。カタログ数値に惑わされず、あくまで目安として捉えることが賢い選択といえます。

プリウス4wdの新車価格は高い?

プリウスの4WDモデルは、2WDモデルと比較すると新車価格がやや高めに設定されています。価格差はおおよそ20万円前後となっており、多くのグレードでこの傾向は共通しています。

例えば、人気のGグレードで見ると、2WDの価格はおよそ320万円ですが、4WD(E-Four)モデルは342万円となっています。この差額には、後輪に電動モーターを追加するコストや、電子制御システム、さらに4WD専用装備の搭載などが含まれています。単純な駆動の違いだけでなく、装備面でも差があることから、価格に反映されているのです。

また、Zグレードでは2WDが約370万円、4WDが392万円と、こちらも同様に22万円ほどの差があります。さらにUグレードでは月額サブスクリプションで提供されており、4WDのほうが月々の料金が1,800円ほど高めに設定されています。

こうした価格差について、決して「高すぎる」とまでは言えないものの、「コストに見合った価値があるのか」は検討すべきポイントです。4WDを選ぶことで、雪道や雨天時の発進・走行時に安定性が増すという安心感が得られます。ただし、都市部での使用や雪の少ない地域では、2WDでも十分という声もあります。

このように考えると、プリウスの4WDモデルは確かに2WDよりも価格は高くなりますが、それが「高すぎる」と感じるかどうかは使用環境や重視するポイントによって変わってきます。雪の多い地域に住んでいる方や、年間を通じて安定した走行性能を求める方にとっては、価格差以上の価値を見いだせる選択肢と言えるでしょう。

4WDの切り替えの仕組みと限界

プリウスのE-Fourシステムは、前輪駆動を基本とし、必要に応じて後輪に電動モーターで駆動力を配分する電子制御4WDシステムです。

プリウスの4WDは、E-Four(電気式四輪駆動)というシステムによって制御されています。従来のメカニカルな4WDとは異なり、後輪はエンジンではなく電動モーターによって動かされます。日常の走行では前輪駆動(2WD)として走り、必要な場面でのみ後輪に電力が送られて4WD状態になります。

この切り替えは自動で行われ、ドライバーがスイッチ操作などをする必要はありません。走行中の加速度、路面の滑り具合、ハンドルの切れ角などをセンサーで検知し、滑りやすい状況や坂道発進時などに瞬時に4WDへと切り替わります。こうした自動制御によって、燃費と走行安定性の両立が図られているのが特徴です。

ただし、この仕組みには限界もあります。ひとつは、後輪のモーター出力が前輪に比べて圧倒的に小さい点です。あくまでアシスト的な役割のため、4WDといっても本格的な悪路走行や深雪には向いていません。また、時速70km以上になると後輪の駆動が停止する仕様だった過去モデルもあり、高速走行中は実質的に2WDと変わらないという場面もあります。

さらに、切り替えの反応速度についてもやや課題があります。滑りを検知してから4WDに移行するまでにわずかなタイムラグがあり、急激な路面変化には完全には対応しきれないこともあります。これは電子制御ならではの特徴ともいえますが、過信は禁物です。

このように、プリウスの4WDは利便性と経済性を両立させたシステムである一方で、万能ではないということも理解しておく必要があります。日常的な滑りやすい場面では十分な力を発揮しますが、過酷な環境での使用には向かないことを前提に選択することが大切です。

プリウスがやばいと言われる理由は?

インターネット上では「プリウスがやばい」という表現がしばしば見られます。多くの場合、この「やばい」はネガティブな意味合いで使われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。その背景には複数の要素が関係しています。

まず最も多く取り上げられるのが、プリウスの静かすぎる走行音です。ハイブリッド車であるプリウスは、発進時にモーターだけで動くことが多いため、エンジン音がほとんどしません。これにより、歩行者や自転車に気づかれにくく、特に住宅街や狭い道路では危険を感じるケースもあるのです。静かであることは一見メリットのように思えますが、実際には周囲に存在を認識されにくくなってしまうという側面もあります。

また、ドライバーの層にも注目が集まりやすい傾向があります。プリウスは燃費の良さから高齢者や年配の方に人気があり、その結果として事故のニュースなどで取り上げられることが多くなっています。「プリウスミサイル」という言葉が一時期話題になったのも、踏み間違いや操作ミスが絡んだ事故の報道が重なったためです。ただし、これは車そのものに欠陥があるわけではなく、運転者の年齢層や使用環境の影響が大きいといえます。

さらに、デザイン面や走行感覚についても賛否が分かれます。特に旧型プリウスでは、視界の取りづらさや車体形状から「運転しづらい」と感じるユーザーもいました。加えて、車高が低めの設計であるため、段差や急な傾斜では擦ってしまうことがあり、使い勝手の面でも不満を感じることがあるようです。

こうして見てみると、「やばい」と言われる背景には実際の性能とは別の、周囲からのイメージや使い方の傾向が大きく関係していることがわかります。静粛性の高さや走行性能はプリウスの強みですが、その特性をきちんと理解しないと誤解を招くこともあるというわけです。

故障リスクと4WD特有の整備コスト

プリウスの4WDモデルは、走行安定性や雪道での発進のしやすさなど、多くの場面でメリットを発揮します。しかし、2WDと比較した場合に注意すべきなのが、故障のリスクと維持コストの面です。

まず、構造が複雑であることが挙げられます。プリウスの4WD(E-Four)は、前輪をエンジンとモーターで動かし、後輪は独立した電動モーターで駆動する仕組みです。このような2つの駆動系統があることで、制御や部品の数が増え、故障箇所が増える可能性も高くなります。特に電動部品やセンサー類は高性能なぶん、故障時の修理費が高額になることもあります。

また、整備や点検にかかる時間や手間も増える傾向にあります。後輪モーターまわりの部品は通常のガソリン車とは異なる構造をしているため、メンテナンスを行う際にはハイブリッドシステムに詳しい整備士や専用の設備が必要になることもあります。こうした条件が、整備費の増加につながるケースもあるのです。

さらに、車両重量が増加することでタイヤやブレーキの摩耗が進みやすくなるという声もあります。E-Four搭載モデルでは2WDよりも約60kg重くなっており、この負荷は部品の消耗にも少なからず影響します。もちろん定期的な点検を行っていれば大きなトラブルには発展しにくいのですが、整備の頻度が高まればそれに伴って費用も増加します。

ただし、従来の機械式4WDに比べれば、E-Fourはプロペラシャフトやトランスファーといった大がかりな部品を使用していない分、軽量かつ低コストで設計されています。そのため、比較的故障しにくいシステムではありますが、「まったく壊れない」というわけではありません。

このように、プリウスの4WDには走行性能の向上という利点がある一方で、構造の複雑さからくる故障リスクや、通常より高くなる整備コストにも目を向ける必要があります。車選びでは、購入後の維持費やトラブル時の対応も含めて総合的に検討することが大切です。

スポンサードリンク

プリウス4wdの欠点と2WDとの違いを比較

  • プリウスの2WDと4WDの違いは?どっちのほうがいい?
  • 50プリウスの2WD と4WDとの違いで選ぶ基準
  • 新型プリウス4wdの燃費の実力は?
  • プリウスの4WDはいつから搭載されたのか?
  • プリウス4WDの中古購入の注意点
  • 50プリウス4wdの雪道での性能評価
  • 4WDの追加装備と車重の影響について

プリウスの2WDと4WDの違いは?どっちのほうがいい?

項目 2WD 4WD(E-Four)
駆動方式 前輪駆動 前輪+後輪(後輪は電動モーター)
燃費(WLTCモード) 約28.6km/L 約26.7km/L
新車価格 約2,750,000円〜 約2,950,000円〜
雪道性能
切り替え機能 なし 自動制御(E-Four)

プリウスには2WD(前輪駆動)と4WD(E-Four)という2つの駆動方式があります。それぞれに特徴があるため、どちらが「いい」と一概には言えませんが、自分のライフスタイルや使用環境によって適した選び方が変わってきます。

まず、2WDのメリットは燃費性能の高さと価格の安さです。車両価格は同じグレードで比べた場合、4WDよりもおよそ20万円前後安くなっており、購入時の初期コストを抑えられます。また、車体重量も軽く、エネルギーの消費も少ないことから、実際の燃費においても優れた数値を出しやすくなっています。市街地での使用がメインで、天候も比較的穏やかな地域に住んでいる人であれば、2WDで困る場面は少ないでしょう。

一方、4WD(E-Four)は滑りやすい道や雪道などでの安定性が強みです。後輪にもモーターを搭載することで、必要に応じて自動的に4輪駆動へ切り替わります。特に発進時や登坂時に威力を発揮し、路面が悪い場所でもスムーズな走行をサポートしてくれます。ただし、4WDはシステムが複雑になるため、重量が増えて燃費が若干下がる傾向があります。メンテナンス費用もやや高くなる可能性があるため、日常的な使用頻度や環境と照らし合わせて検討することが大切です。

こうした点を考慮すると、年間を通して天候が安定している地域では2WD、雪道や山道などを頻繁に走る人には4WDが向いています。どちらにも長所と短所がありますが、自分の用途に合った選択をすれば、大きな後悔は少ないはずです。単に「どちらが優れているか」ではなく、生活環境に応じた最適な一台を選ぶことが何よりも重要です。

50プリウスの2WD と4WDとの違いで選ぶ基準

50系プリウスを選ぶ際に2WDと4WDのどちらを選ぶかは、多くの購入者が悩むポイントです。見た目は同じでも、中身の構造や使い勝手は少しずつ異なるため、基準を持って判断することが必要です。

まず確認しておきたいのは、走る場所や走行条件です。2WDは都市部や舗装された道路での使用を前提に設計されており、普段の買い物や通勤など、安定した道を走る機会が多い方にとっては、2WDで十分です。燃費が良く、価格も安いため、コストパフォーマンスを重視する人におすすめです。

一方で、冬場に雪が降る地域に住んでいる方や、坂道・山間部を走る機会が多い方は4WDが向いています。E-Fourという4WDシステムが自動的に後輪に駆動力を加えることで、発進時や滑りやすい路面での不安定さを軽減してくれます。たとえば、アイスバーンや雪の積もった駐車場でスムーズに出入りできるのは、4WDならではの安心材料です。

燃費で見ると、2WDのほうが若干優れています。50系プリウスではグレードにもよりますが、WLTCモードでおよそ1.5〜2.0km/Lほど2WDの方が良い数値となっています。また、車重も4WDの方が約60kg重くなるため、わずかながら走行性能や乗り心地にも違いが出る可能性があります。

もうひとつの基準は、維持費とトラブルへの備えです。4WDは部品が多くなる分、点検や修理の際にコストがかかることがあります。そういった費用も見込んだうえで選ぶ必要があります。逆に、普段から車を長距離使う人にとっては、多少の燃費差や価格差よりも、走行安定性の方が大切に感じられるかもしれません。

このように、どちらが良いかは一人ひとりの使い方や地域の条件によって変わります。プリウス50系の魅力を最大限に活かすには、単に価格やスペックだけではなく、自分の生活スタイルに合った一台を選ぶことが最も重要な判断基準になります。

新型プリウス4wdの燃費の実力は?

新型プリウスの4WDモデルは、燃費性能と走行安定性を両立させた点が大きな特徴です。従来の4WD車は「燃費が悪くなる」というイメージがありましたが、新型プリウスのE-Four搭載モデルはその印象を大きく覆しつつあります。

新型のZ・G・Uといった各グレードで、4WD(E-Four)のWLTCモード燃費はおおよそ26.7km/L〜30.7km/Lと、非常に優れた数値を記録しています。特にUグレードの30.7km/Lという数字は、4WDとしてはトップクラスの水準です。燃費重視の2WD(28.6km/L〜32.6km/L)には一歩及ばないものの、その差はごくわずかで、走行条件によってはほとんど変わらないと感じる場面も多くあります。

このような燃費性能が実現できている背景には、後輪をモーターで制御するE-Fourシステムの影響があります。通常の走行時には前輪駆動で効率良く走り、必要なときにだけ後輪にも駆動力を与えるという仕組みです。これにより、エネルギーロスを最小限に抑えながら、安定した走りを実現しています。

もちろん、実燃費になるとカタログ値よりもやや下がる傾向にあります。ユーザーの使用状況、アクセルの踏み方、渋滞の多さ、寒冷地での暖房使用などが燃費に影響を与えます。一般的な使用環境では、4WDモデルで21〜23km/Lあたりが実際の燃費として報告されています。これは他のハイブリッド4WDと比較しても優秀な数字であり、日常使いでの経済性も高いといえます。

一方で、燃費を最大限に引き出すには走り方やメンテナンスも重要です。急加速や不要なアイドリングを避け、定期的に空気圧やタイヤの状態を確認することで、4WDの燃費差をさらに縮めることが可能です。

このように、新型プリウス4WDは、走行性能を保ちながらも燃費性能に優れたバランスの取れた一台となっています。4WD車でありながら経済性を重視したい方にとって、有力な選択肢といえるでしょう。

プリウスの4WDはいつから搭載されたのか?

プリウスに4WDが初めて搭載されたのは、2015年に登場した4代目モデル(通称50系)からです。それまでの初代・2代目・3代目プリウスには4WDの設定がありませんでした。ハイブリッド車に4WDを搭載する技術がまだ限られていた時代背景もあり、低燃費を重視した設計が優先されていたのです。

4代目プリウスでは、寒冷地などのニーズに応えるために、新たに電気式4WDシステム「E-Four」が採用されました。これは後輪に専用の電動モーターを搭載し、前輪駆動を基本としながら、滑りやすい場面や発進時に自動で後輪にも駆動力を配分する仕組みです。雪道や坂道での発進性能が大きく向上し、冬場の安心感が増したことから、多くのユーザーに支持されました。

ただし、この初期のE-Fourシステムには課題もありました。リヤモーターの出力が小さく、高速道路では70km/h以上で後輪駆動が切れる仕様だったため、本格的な4WDというよりはアシスト機能に近い性能でした。それでも、雪道での発進や滑りやすい路面では2WDモデルに比べて明らかに安定感があり、「なんちゃって四駆」と呼ばれながらも確かな効果を発揮していたのです。

その後、2023年に登場した5代目(60系)プリウスでは、E-Fourの性能が大幅に強化されました。リアモーターの出力が約6倍になり、高速域でも4WDの恩恵が得られるようになったことで、より実用的で信頼性の高いシステムへと進化しています。

このように、プリウスにおける4WDの搭載は4代目以降からであり、進化を重ねるごとに性能や信頼性も向上してきました。現在では、ハイブリッド車でありながら4WDの安心感を求めるユーザーにとって、プリウスは有力な選択肢の一つとなっています。

プリウス4WDの中古購入の注意点

プリウスの4WDモデルを中古で購入する場合、いくつかの注意点を事前に押さえておく必要があります。新車と違い、中古車は前のオーナーの使い方や保管環境が影響するため、同じ車種でも状態には大きなばらつきがあります。

まず確認しておきたいのが「E-Four」の動作状況です。プリウスの4WDは、前輪に加えて後輪もモーターで駆動するシステムですが、あくまで補助的なものとなっています。年式が古くなると、リアモーターの出力低下やセンサーの不具合が生じていることもあります。試乗が可能であれば、発進時や滑りやすい状況で後輪のアシストが入るかどうかを確認しておくと安心です。

次に、バッテリーの状態も重要なチェックポイントです。プリウスはハイブリッドカーであるため、駆動用バッテリーの劣化が燃費や走行性能に影響を及ぼします。特に過走行車や初期型の4WD(50系)は、バッテリーの寿命に近づいている可能性があるため、点検記録やバッテリーの交換履歴をしっかりと確認しておきましょう。

また、下回りのサビや腐食にも注意が必要です。雪国や沿岸部で使用されていた車は、融雪剤や潮風の影響でシャシーやパーツにサビが出ているケースがあります。4WDは後輪部分にもモーターや配線があるため、通常よりもサビの影響を受けやすく、放置すると故障の原因になります。購入前には下回りを確認できる店舗を選ぶか、第三者機関の車両検査を利用すると良いでしょう。

さらに、4WDモデルは2WDよりも車両重量が重いため、足回りの部品にかかる負担も大きくなります。ショックアブソーバーやブッシュ、ベアリングなどの消耗品が交換されているか、点検時に異音がないかも確認しておくと、安心して長く乗ることができます。

このように、中古のプリウス4WDを購入する際は、E-Fourの動作確認、バッテリーの状態、下回りの腐食、そして足回りの消耗度を中心にチェックすることが重要です。見た目のきれいさだけでなく、走行性能や耐久性をしっかり確認することが、後悔しない中古車選びにつながります。

50プリウス4wdの雪道での性能評価

今年の大雪でもプリウス4WDは安定して走れた。E-Fourの効果を実感。

50系プリウスの4WDモデルは、雪道での走行を前提とした設計が取り入れられており、2WDモデルと比較して安定性が高くなっています。ただし、フルタイム4WDとは異なる仕組みであるため、性能の評価には注意が必要です。

このモデルに搭載されている「E-Four」は、電気モーターによって後輪を制御するタイプの4WDシステムです。通常走行時は前輪駆動となり、路面の滑りや発進時の負荷が検知されると、自動的に後輪にも駆動力が加わります。これにより、雪道や凍結路面での発進や加速時に、車体が安定しやすくなります。

実際に雪道で使用したユーザーの声としては、「2WDでは滑って登れなかった坂道を4WDなら問題なく登れた」「雪道でもアンダーステアが抑えられ、スムーズに曲がれる」などの評価が多く見られます。とくに発進時のトラクション性能に関しては、2WDとの差が明確に出やすいポイントです。

しかし、注意すべき点もあります。E-Fourはあくまでスタンバイ型の4WDであり、本格的な悪路や深雪には不向きです。また、50系プリウスではリアモーターの出力が7.2PS程度と控えめなため、高速道路では時速70kmを超えると後輪駆動は停止します。このため、高速域での雪道走行では2WDとほとんど変わらない挙動になることがあります。

さらに、下回りの最低地上高がそれほど高くないため、深い雪にはまりやすいという声もあります。除雪が行き届いた市街地や、除雪車が定期的に通る道路であれば問題ありませんが、未舗装路や降雪直後の走行ではスタックのリスクもあります。

総合的に見ると、50系プリウスの4WDは「日常使いでの雪道走行」においては十分な性能を発揮してくれます。特別な装備を必要とせず、自動で4WDに切り替わる点も使いやすさの一因です。ただし、過信せずにスタッドレスタイヤやチェーンなどを併用することで、安全性をさらに高めることができます。日常の通勤や買い物など、通常の積雪環境で安心して使える車として評価されています。

4WDの追加装備と車重の影響について

4WD(四輪駆動)モデルを選ぶ際に見落としがちなのが、追加装備による車両重量の増加とそれに伴う影響です。プリウスをはじめとした多くのハイブリッド車では、4WDモデルは2WDに比べて後輪にモーターなどの駆動装置が追加されており、その分車両重量が増える傾向にあります。

具体的には、プリウスの4WDモデル(E-Four搭載車)では、2WDに比べて約60kg前後重くなっています。この増加の主な要因は、リアモーター、配線、制御ユニットなどの追加機構に加え、冷却系や補強部材が必要になるためです。また、4WD専用の装備としてリアヒーターダクトやウインドシールドデアイサーなど、寒冷地向けの快適装備も標準装備されることが多く、それも重量増につながっています。

この車重の増加は、燃費や加速性能に少なからず影響を与えます。例えば、同じプリウスの2WDと4WDで比較すると、WLTCモード燃費ではおおよそ1.5〜2.0km/Lの差が見られるケースがあります。車重が重くなることでエンジンやモーターにかかる負担が増え、燃料や電力の消費がわずかに高まるためです。とはいえ、現在のハイブリッドシステムは効率が高いため、この燃費差はかなり抑えられています。

また、車重の増加は足回りにも影響します。車体が重いということは、ブレーキやサスペンションにかかる力も大きくなるということです。ブレーキの効きがわずかに変化したり、タイヤの摩耗が早まる可能性もあるため、整備面でも少しだけ気を配る必要があります。

一方で、4WDモデルに追加される装備は、快適性や安全性の向上にもつながります。たとえば、リアヒーターダクトは後席に暖気を届けてくれるので、寒い季節でも快適に過ごせますし、ウインドシールドデアイサーは凍結したフロントガラスを素早く溶かしてくれるため、冬場の視界確保に役立ちます。

このように、4WDモデルの装備追加と車重の増加は、単なるデメリットではなく、快適性や走行安定性を高めるための工夫ともいえます。確かに燃費や走行性能に若干の影響はありますが、それを補う価値がある装備も多く、総合的には非常にバランスの取れた設計になっているといえるでしょう。購入時は、こうした点を踏まえて、自分の使用環境に合ったモデルを選ぶことが大切です。

「プリウス4WDの欠点とは?中古や新車価格・魅力や2WDとの違いなど徹底検証」のまとめ

  • 後輪モーターの出力が小さい
  • E-Fourはスタンバイ型で常時4WDではない
  • 切り替えにタイムラグがある
  • 高速走行時は4WDが解除される場合がある
  • 2WDよりも新車価格が高い
  • 4WD化により車両重量が増加する
  • 燃費が2WDよりやや劣る傾向にある
  • 構造が複雑で故障リスクが高くなる
  • 整備や部品交換に専門知識が必要
  • 雪道には強いが深雪や悪路には不向き
  • 中古購入時はリアモーターの劣化に注意
  • 車体重量の増加でタイヤやブレーキの負担も増す
  • 燃費の低下が冬場に顕著になることもある
  • 価格差に見合う価値があるか検討が必要
  • 装備追加により快適性が高まる点もある
  • スポンサードリンク